倒産した翌朝 社長の生活とは?

今回は、会社を倒産させた社長にはどんな日常が待っていたのか? 怠惰な自分にしか当てはまらないのかもしれませんが、当時を思い出しながら書いてみます。

長年会社をやっていますと取引先が倒産したり、知人の会社が倒産したりと悲しいことが起こります。 その度に「あの社長はどんな生活を送っているのだろう」と心配したりしていました。

その時に思い浮かんだのは、とても悲惨な生活で(と言っても具体的なものは無い)ただ行きたくない向こう側というイメージでした。 まさか自分がそちら側の人になるなんて、十分予想していましたけどね。

という訳で、Xデー(社内外に倒産を伝えた日)を終えて 翌朝から実質上の無職になった私はとても寝坊をしました。 気持ちが動揺して眠れないという面もあったのですが、そこは疲れ果てていたというのもあり熟睡はできなかったものの寝床でダラダラと過ごしました。

しかし、「あぁ、やってしまった」とかいうドラマ的な感情はなく、目の前に山と積まれたこれからの後始末を「今からやっていかないとな」という気分でした。 なので案外淡々としていました。

気持ちは淡々としているのですが、これまで長いこと「自宅よりも会社に居た時間のほうが長い」生活から、「朝起きても行くところが無い人」になってしまったので、生活のリズムが掴めません。 とっても居心地が悪く、しばらくは本当に「居候」のような気分でした。

さて、Xデー翌日に何から始めたかと言うと部屋の模様替えです。 というのも、しばらくは倒産後の処理で事務作業が大量に発生します。 毎日会社にも行けないので自分の部屋を事務所化する必要がありました。 会社から自分が使っていたパソコン一式とプリンターを持ち帰りあれこれとセッティング、これだけでも数日かかったと思います。

会社が倒産した翌朝 社長

パソコン作業は趣味でもあり好きだったので、一番使いやすい形に構成していき(組み立てPC)事務員が使っていたパソコンからSSDを抜いてきたり、色々と処理できるシステムに作り変えていきました。 何の前進もない後始末という作業ですが、これが終わらないと先に進めませんので出来るだけ効率的な環境を作っていったつもりです。

実際、Xデーから1ヶ月くらいは毎日、弁護士や社会保険労務士そして管財人から電話があり、本当に忙しく資料を作っていました。 ミスが有ってやり直しも多かったですが、毎日バタバタとしていましたので自分が「今後自己破産を控えた可哀想な人」であることを実感してはいませんでした。

さて、そうは言っても生活のリズムは大きく変わります。 それまで4時半に起きていたのですが 無職にそんな必要もなく6時半とか7時とかまで寝てたりします。 そうすると、朝食とかトイレとかで家族とバッティングして、家の中での立ち位置がよく分からなくなるのです。

もちろん、構成員としての地位も下がりまくりますので そういう意味でも居心地がとても悪い。 なので、掃除とか片付けとか家の中の仕事を少しずつやって、自分のポジションを確立していきました。 これはいったい何なのだ?という感じですが、心地よく過ごすために家の中でも立ち位置は重要です。

とにかく、家にいる時間はとても長いので 家族からご下命を受けたらしっかりとこなす。 最初は嫌な気持ちがしましたが、自分の仕事と思えるようになるとやる気も出てきます。 倒産社長の無職生活がスタートしたのでした。

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