売掛金管理の重要性
会社が破産の申し立てをすると、裁判所が管財人を選定し、対外的な実務を担当します。その一つが「売掛金の回収」です。売掛金とは、商品やサービスを提供した際にまだ回収していない売上金。
破産時、これが従業員の未払い賃金や債権者への配当に充てられます。しかし、経営破綻で営業が突然停止すると、売上伝票の整理が不十分でトラブルが起きがちです。
破綻時の売掛金トラブル例
私の会社が営業を停止し、破産を申し立てた際、管財人が問い合わせた売掛金額と得意先が計算した金額とが一致せず、トラブルになりました。 原因は、私が営業停止当日に動転し、「どうせ全てなくなってしまう」と投げやりになり、当日と直近の売上伝票を整理しなかったことです。
別のケースでは、ネットで売買する得意先に関してのミス。営業停止の当日は、前日などに荷物は発送したのか? きちんと届いているか? カードの決済はされているか?など、営業停止の当日には確認事項が山ほどあるのです。私は当日のドタバタで、それらの状況が整理ができませんでした。
管財人とのやり取りは破綻から1か月以上経って始まるため、記憶が曖昧になると伝票をたどるのも困難です。また、ネットでの売買などは時間が立つとパソコンでも確認出来なくなり、状況はさらに悪化します。

管財人とのやり取りの注意点
管財人は売掛金の回収を正確に行うため、会社の帳簿や伝票を詳細に確認します。しかし、たった1枚でも伝票が欠けていると、金額の不一致が発生し、管財人に余計な負担をかけることになります。
私の場合、営業停止後も販売管理のソフトは自分でも確認できるように管理していたので、通常の処理データは問題なく管財人に提出することができました。
しかし営業停止の当日分の伝票の所在がわからず、得意先に納品したのかどうかの記憶も曖昧で、管財人に迷惑をかけてしまいました。
とにかく伝票かメモがあり、商品の納品状態が分かっていれば、後からスムーズに処理できます。

トラブルを避ける5つのポイント
経営破綻時の売掛金管理でトラブルを防ぐには、以下のステップを。
- 営業部員に確認: 営業停止当日、得意先への納品があったかどうか、その伝票の所在を確認しましょう。
- 経理部員に確認: 営業停止の告知は午前中にすることが一般的です。売掛金に関しては経理部員にその日の処理状況を聞いておくこと。
- デジタル化できる環境: 今回、私は手書きの伝票を管財人にメールで渡したりしました。 用紙をスキャンできる環境をキープし、早めにデジタル化しておきましょう。
- バックアップ: 帳簿データはクラウドや複数のデバイスにバックアップし、自宅でも見られる状態に。
- 記録の明確化: 営業停止の当日や前日分、取引記録がなければなぐり書きのメモでも良いので、とにかく記録を。
私はこの徹底ができずに、後からとても苦労したので、ぜひ実践を!
よくある質問
Q1: 管財人とのやり取りはどう進む?
A: 管財人は帳簿や伝票を基に売掛金を確認し、得意先に連絡。双方の金額が一致しないと、こちらが伝票を探さないといけないので、時間がかかります。
Q2: 売掛金が正しく回収できない場合は?
A: 得意先と揉めて、こちらの伝票通り回収できなかった場合、配当が減る可能性もあります。 メモでも良いので記録が重要です。

まとめ
経営破綻は避けたいですが、万が一起こってしまった時、その後の処理はスムーズに行きたいものです。
普段から売掛金の管理は徹底されていると思いますが、いざという時、売掛伝票の所在やと得意先への納品状態を確認しておく事で、管財人と得意先とのトラブルを回避できます。
気が動転してしまう瞬間ですが、とりあえずメモ、とりあえず記録を忘れずに。
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