今回は倒産を決意してから債権者会議の一回目までの流れについてお話したいと思います。 一般的な部分と、たまたま私だけという部分があると思いますので、ほんの一例という事でご了承ください。
<倒産の決意>
私の会社の場合、ギリギリの経営を続けて長かったわけですが資金に余裕がある時期と枯渇する時期がはっきり分かれていました。 苦しくても余裕がある時期まで懸命につなげは、その先はどうにかなるという気持ちで頑張るわけです。 しかし最後の年、苦しい時を超え資金に余裕がある時期に入ったはずなのに 全く資金に余裕が無くなっており先が見えません・・・、 それで倒産を決意しました。
<下調べ>
今の時代は便利なので、本を買わなくてもこっそりと倒産について調べることが出来ます。 勤務時間中に自分の会社を倒産させる準備をするという大きな矛盾を感じながら、破産のための供託金の事とか私の自己破産について調べました。
<まずはコンサルタントに相談>
一旦決意したら迷うことなく進めないと、どんどん状況は悪くなっていきます。 善は(悪)急げで、まずは付き合いのあるコンサルタントに相談しました。 銀行出身のよろず経営相談って感じの人だったので広く浅い知識があり、大まかな進め方を教えてもらいました。 引き止められた部分もありましたが、私の意思は謎に固かったです。
<弁護士に依頼>
私にはたまたま知り合いの弁護士がいましたの、その人に破産手続きの依頼をしました。 弁護士からは破産申し立てに必要な書類を教えてもらい、会社でコソコソと準備しました。 また、営業停止を社内外に開示する「Xデー」を設定し、それまでに知らせる人、絶対に知られてはいけない人などを決めて確認していきました。

※私の場合
・[知らせておく人]:仕事の関係上どうしても必要な取引先の幹部、 家族、 利害のある親族 [知られてはいけない人」:銀行、 従業員、 普通の取引先、 公的機関という感じでした。 知らせるといっても2〜3日前くらいです。
<Xデー>
弁護士と打ち合わせた時間(午前中)に「従業員を集めて告知」、 弁護士にその旨を連絡して「裁判所に申し立て」をしてもらいました。 そして債権者に「破産を申し立てた旨の書類」をFAX、 私個人の債権者にもFAXしてもらいローンやカードの支払いをストップしました。 また、会社のお金の移動も大変で、前日までに銀行の残高を無くしていくなど奔走しました。
<空白の数日>
裁判所に破産の申し立てはしたものの、「破産手続きの開始決定」というのが下りないと 会社はまだ法的には通常営業中なわけで、勝手に閉店しているだけという期間が数日ありました。 その間に従業員の離職手続きなどを進めました。 これがとても煩雑で大変でした。
<開始決定と管財人の選定>
裁判所から「破産手続きの開始決定」が下りると、管財人が選定され会社の資産と負債は全て管財人の管理下になります。 とはいえ何も知らない赤の他人ですから、会社の内部のことを事細かに説明し資料を集めて提出するという期間が続きました。 分かってもらうのに時間がかかりました。
<債権者への連絡>
債権者には申し立ての時に告知はしているのですが、各債権者の「債権金額はいくらなのか」というのを確定しなければいけません。 こちらの資料とすり合わせて数字を固めていきます。 私も資料をあれこれ作って忙しく動きました。
<債務者への連絡>
未払いがあれば未収もあります。 売掛金等があるところにも債権者と同様のすり合わせが必要で、これが確定すればひと段落です。
<資産の売却>
現金に関する数字が概ね固まってきたら、商品や固定資産などの売却手続きに移ります。 最終的には競売になるのですが、それだと安く買われてしまうので まずは相対で買ってくれる業者を探します。 幸い私の会社に付いた管財人は経験も豊かでしたので、安心してお任せできました。
<債権者集会の準備>
債権者集会の日程は、わりと早い段階に決めてしまっていました だいたい申し立てから3ヶ月くらいです。 なのでそれまでに債務と債権の数字を固め、固定資産などの売却方針も決めて、概ね破産処理の見通しがついたという感じで集会をむかえます。 会社の歴史などについても説明するので、管財人と細かな打ち合わせがあります。
<債権者集会>
基本的には管財人に全てやっていただくのですが、社長からは最初にお詫びの挨拶があります。
以上、会社が倒産してから債権者集会までの大まかな流れについてお話しました。 あくまでも私の場合に限った話なので、一つの例として考えてください。 時間は勝手に過ぎていきますが苦しい期間が続きますので、出来ればこんなことは経験はしない方がよろしいかと思います。
あなたの参考になりませんように。
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