【注意】 この記事は、筆者が実際に経験した会社の倒産処理についてまとめたものです。法律や手続きに関する一般的な情報ではなく、あくまで一個人の体験談としてお読みください。実際の倒産処理については、必ず弁護士や専門家にご相談ください。
はじめに:会社がなくなった日、私が見落としていたもの

会社の倒産は、文字通り青天の霹靂のように突然やってきます。その瞬間、経営者の頭の中を支配するのは、銀行からの借入や未払い金といった大きな債務ばかりです。
しかし、どん底を経験して分かったのは、本当に厄介なのは 「小さすぎて見落としてしまう債務」 だということでした。数百万円のフォークリフトは覚えていても、月々数千円のフロアマットは忘れてしまう。この記事では、私自身が体験した倒産処理の中で、最も印象に残った「小さな落とし穴」についてお話しします。
私の会社で起こったリース物件の処理:弁護士と管財人の初動
会社を整理するにあたり、いくつかのリース契約がありました。主要なものは以下の通りです。
- フォークリフト(倉庫で使う作業車)
- 電話装置(ビジネスフォン)
- コピー機
- 自動販売機
- フロアマット(玄関・事務所用)
倒産処理は初めての経験で、何から手をつけていいか全く分かりませんでした。しかし、冷静沈着な弁護士さんや管財人の方は、最初から「リース物件は何がありますか?」とリスト化を求めてくれました。この初動が、後の処理のスピードを大きく左右します。
【教訓1】 管財人はまずリース物件の全貌把握を最優先する。契約書を探すのは想像以上に大変だった。
管財人によるリース物件の処理手順(私のケースの詳細)

管財人が主導してくれたリース物件の処理は、予想よりも柔軟に進みました。
1. リース物件のリストアップと契約書提出
管財人に求められ、急いで契約書を提出。数が多いほど探すのが大変だと痛感しました。
2. リース会社への連絡と交渉
リストアップ後は、すべて管財人が各リース会社に連絡を取ってくれました。
3. 実際の回収作業の猶予
驚いたことに、回収は思ったより急かされませんでした。業務で不可欠なフォークリフトやコピー機は、約3ヶ月ほどは使い続けることが許可されました。この猶予が非常に助かったのです。
【最も危険な盲点】見落としがちなリース物件:フロアマットの落とし穴

フォークリフトのような数百万単位の設備は忘れません。しかし、月々数千円の契約は本当に忘れがちです。
特に倒産時に見落とされやすい「小さなリース」
- フロアマット・玄関マット
- 観葉植物のレンタル
- ウォーターサーバー
- 清掃用品のレンタル
- 制服・作業着のレンタル
実際に起こったフロアマット回収の話

実は、私自身もフロアマットの存在をすっかり失念していました。倒産を告知してから2ヶ月ほど経った頃、会社の事務所に用事があって行くと、社名もロゴもない車が玄関に止まっていました。
「誰か文句を言いに来たのかな?」と不安になりながら見ていると、知らない男性が「○○マットです、回収させていただけますか?」と話しかけてきました。
この時、初めてこの小さな契約を忘れていたことに気づきました。倒産でバタバタしているとはいえ、回収に来た業者の方には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。回収時に「また何かありましたらよろしくお願いします」と言われた時の複雑な心境は、今でも鮮明に覚えています。
倒産時に私が気づいた「死角となる債務」:自動引き落としのリスク
リース債務以外にも、倒産時にはさまざまな債務が存在します。管財人や弁護士が主に整理してくれた債務は以下の通りです。
- 買掛金・未払金
- 未払い給与・賞与・退職金
- 銀行からの借入金
- 税金関係
- 賃貸料・共益費
そして、私が特に「死角だ」と感じたのは、自動引き落としの契約です。会計ソフトやクラウドサービスといった月額サービスは、解約手続きを迅速に行わないと、倒産後も銀行口座から引き落としが続いてしまうリスクがあります。この無駄な支払いを防ぐための連携も、経営者として最後まで注意すべき教訓でした。
まとめ:どん底で学んだ、倒産時のリース物件処理で覚えておくべきこと

私の体験から学んだ、倒産時の処理で特に重要だと感じたポイントです。
- 処理は管財人にお任せするのが基本だが、経営者側の契約書整理が生命線となる。
- リース会社の対応は、私の場合は想像以上に柔軟で、業務に必要な機器の回収はゆっくり進むことが多かった。
- フロアマットや観葉植物といった小さなリース契約は、必ずリスト化し、管財人に伝えること。これが最後まで残る「落とし穴」になる。
- リース債務だけでなく、月額サービスの自動引き落としも即座にチェックし、解約手続きを行う。
会社の倒産は、誰にとってもつらく、精神的に追い込まれる経験です。しかし、適切な処理を行うことで、関係者への迷惑を最小限に抑えることができるはずです。
どん底を経験した一人の社長として、この記事が同じような状況に直面している方の、心の準備の一助となれば幸いです。
【免責事項】 この記事は筆者の実体験に基づいて書かれており、すべてのケースに当てはまるものではありません。倒産処理の具体的な手順、法的判断、債務整理については、必ず弁護士や専門家にご相談ください。
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