今回は私の会社が倒産し、破産のための債権者集会に出席してきたので、その時の様子をお話します。 具体的な内容は私の経験からであり、会社の規模や地方によっても変わるかも知れませんのでご了承ください。

債権者集会当日の流れ

弁護士との待ち合わせと緊張

当日、債権者集会の開催時刻は午前11時で担当してくれた弁護士とは10分前に裁判所のロビーで待ち合わせという事になっていました。 バスの時間が合わなかったので、30分くらい前に到着して、ロビーに座って待っていました。

ロビーには色々な人が行き交っていまして、「この人は弁護士?」「この人は裁判所の職員?」と、それらしい格好の人たちや、債権者か傍聴人か明らかに一般の人と分かる人たちもエレベーター前で待ってたりしました。

12分前くらいに私の会社の破産申し立てをしてくれた弁護士が到着。 当日、管財人が用意した資料をもらって、簡単な説明を受けました。

法廷入場:3分前の様子

弁護士から「あまり早くいってもアレですので」と言われ、法廷には3分前くらいに到着。 会社の名前が書いた看板などはありませんでしたが、入口の前にはきちんと受付があり係の人が待っていました。

中に入るとすでに債権者と思われる人たちは着席していて、資料に目を通していました。 中には知っている人も居たと思うのですが、私はあまりそちらを見ずに自分の席に着席しました。

7分で終わった集会の全貌

法廷の配置と雰囲気

法廷とはどういう所だったか、イラストで紹介します。

真ん中の上の段に裁判官が座り、その手前にある下の段が裁判所書記官の席でした。 向かって右側に奥から弁護士と私が座り、左側に管財人が座りました。 今回、中央の発言用の席は使用しませんでした。 一番手前の客席みたいなところは債権者の席です。

債権者6名の顔ぶれ

今回の債権者集会で出席した債権者の人数は6名で、ほとんど顔が分からない人でした。 新しく転勤してきて一度だけお会いしたメイン銀行の支店長さんは、何となく「あの人かな?」と分かりました。 あとは、大きな会社の経理担当者だったかも知れませんが、面識がないので分かりませんでした。

管財人との意外な距離感

破産の処理でいつも会っている管財人が向正面に座り、仲間だと思っていた彼が立場が違う人なのだと認識させられました。 そう、管財人は会社や私個人の資産を債権者に分配するための人で、向こう側の人だったのです。 

実際に手続きを進めていく上で敵ではあり得ませんが、ちょっとショックでした。

実際に体験した審理の様子

裁判官と書記官の登場

さて、時間になって裁判官と裁判所書記官が入場してきました。 先程の図でも説明したとおり、裁判官は一段上の席なのですが、「ずいぶん高い位置にいるんだな」という印象でした。 

裁判官は女性の方で、白のブラウスにピンクのカーデガンという服装、親しみやすいイメージでした。 裁判所書記官は、いかにも公務員というカチッとした感じの若い男性でした。

審理開始

「それでは、〇〇社に関する債権者集会を始めます」という内容の宣言で審理は始められました。 特に重苦しい感じもなく、淡々と進めますという雰囲気でした。 

まず最初に、こちら(私と弁護士)と、管財人に向かって「何かありますか?」と質問されました。 開会に先立ち言いたいことがあれば、ここで言うのでしょう。 今回は何もありませんでした。

ドキドキした挨拶の出番なし

管財人からは「債権者集会では、最初に挨拶する可能性もあります」と言われていたので、私は「債権者の方々、ごめんなさい」という内容の簡単な挨拶を考えて行きました。

審理の冒頭、裁判官から挨拶するように言われるのをドキドキしながら待っていましたが、「では、管財人から説明をお願いします」の一言で私の挨拶は無くなりました。 

後から弁護士に聞いた話では、最近は債務者が挨拶することはあまり無いとのことでした。 裁判官の考え次第らしいですが。

管財人の5分説明と質問ゼロ

管財人からの説明は15ページくらいの資料をもとに、私の会社に残った資産とその配当先について説明があります。 まだ1回目で数字も固まっていませんから途中経過の報告という感じになります。

内容に細かな説明は無く、「詳しくは資料をご一読ください」という流れで、かかった時間は5分くらいでした。

管財人の説明が一通り終わると、裁判官は「なにか質問はありますか?」 と私達に聞き、債権者の席に向かっても「よろしいですか?」と聞きました。

ここで債権者から怒号が飛び交うようだと荒れた集会になったのでしょうが、今回は至って静かで債権者の皆さんも「特にありません」と目で合図していました。

次回へ:7分で終わった感想

次回日程の簡単決定

裁判官から「それでは、質問もないようですので次回の設定をしたいと思います」と発言があると、すかさず管財人が「換価の手続きに時間がかかりそうなので、次回は○月でお願いします」と言いました。 

裁判官はちょっとスケジュールをチェックしてから「では、次回の債権者集会は○月○日とします、時間は今日の同じでよろしいですね?」と我々に尋ねました。

もちろん、異論などありませんので、双方「分かりました」と答え次回の日時が決まりました。

意外とあっさりした7分のリアル

最後に裁判官から「では、以上で〇〇社の債権者集会を終了します」と宣言があり、私の会社の第一回目債権者集会が終了しました。 開始が午前11時0分、 終了が午前11時7分でした。 

本当に全部で7分間、あっけなく終わりました。

まとめ

破産した会社の債権者集会なんて、社長はどれほど悲惨な目に合うんだろうと想像されますが、実際のところは非常に事務的で淡々と進み短時間で終わりました。

私は一言も喋らずに済みました。

今回初めて債権者集会に出てみて、気になっていたポイントをまとめます。

  • 集会の冒頭にお詫びなど挨拶はするのか?:今回、私の挨拶はありませんでした。、多くの場合無いそうです。
  • 時間はどのくらいかかるのか?:7分でした。 管財人によると10分以内の事が多いらしいです。
  • 債権者たちから責め立てられるのか?:今回は何もありませんでした。 債権者が多いと荒れることもあるそうです。

債権者集会は、ドラマのような激しい場面を想像していましたが、実際は7分で終わる事務的な場でした。 挨拶も質問もなくて正直ホッとしました。 破産はつらい経験ですが、こうしたリアルを伝えることで誰かの役に立つのかも知れません。

あなたの参考になりませんように。