この記事について: この記事は、製造業を経営していた私個人の体験談です。経営状況は会社により大きく異なるため、必ず税理士・弁護士・認定支援機関等の専門家にご相談ください。あくまで一つの参考事例として読んでいただければと思います。
1. 私の失敗体験:なぜ「なんとかなる」と思ってしまったのか
私は製造業で月商3000万円の会社を経営していました。季節変動が激しく、黒字の月もあれば赤字500万円の月もある。平均すると月100万円以上の赤字が続いていました。
それでも私が「なんとかなる」と思ってしまったのは、たまたま資金調達がうまくいったことや、その場しのぎのやりくりで凌げていたからです。でも今思えば、それは根拠のない楽観にすぎませんでした。
2. 私の反省:赤字の根本原因を見つけられなかった

私の会社が赤字だった本当の理由を、私は最後まで正確に把握できませんでした。
会社の業容から、その時の売上減少は構造的に仕方ないものでした。しかし、それに伴って減少した利益は大きく、経費を削減しても追いつかなかったのです。新規出店や営業強化にも資金を投じましたが、どれも失敗。結果として赤字がさらに拡大しました。
今振り返ると、不採算部門や構造的なコスト過多にもっと早く手を付けるべきでした。ただし、これも私の業界での話であり、状況により判断は大きく異なると思います。
3. コンサル選びで失敗した私の体験
このような状況が続く中、自分一人の力ではどうしようもないと感じるようになりました。長年続く赤字を解決する糸口を探すべく、商工会議所や中小企業庁の窓口を通じて、複数のコンサルタントに相談することにしました。
月5万円〜10万円の費用を支払い、何人もの専門家に相談しましたが、「在庫を減らせ」「売上を上げろ」「新規事業を」など、どれも表面的でピンとこないアドバイスばかりでした。
私が感じたこと: 現実に対する深い洞察と、会社の構造に合った改革提案をしてくれる専門家は非常に少ないということです。
※これは私個人の体験であり、優秀なコンサルタントや専門家は多数いらっしゃいます。
4. 資金繰り表:私にとっての「現実を知る」ツール

ある年から経理担当者が定年で退職し、それ以降は私が引き継いで経理を担当していました。資金繰り表も引き継いだものを改良し、自分に分かりやすい形にして運用していました。
自分が作った資金繰り表は、月単位で「どの月にどれだけ現金が減るか」「いつ資金が底をつくか」を明確にするものでした。これにより「あと●ヶ月で終わる」と現実を受け入れることができ、改革のリミットも見えました。私にとって資金繰り表は”希望”ではなく”現実”を示すツールでした。
5. 「上手な資金繰り」が私を破滅に導いた理由
経理を担当していると資金の流れが明確にわかります。何度もやってくる資金ショートに、口座間の資金移動や支払い遅延、支払期日の交渉などで対応し、何度も危機を切り抜けました。こうした「資金繰りスキル」が上がると、「まだいける」と錯覚するようになったのです。
でも、黒字化していなければ、すべては問題の先送りに過ぎませんでした。気づいたときには、もう選択肢が消えていました。
6. 社会保険料滞納の罠:猶予制度から一転、資金繰り破綻へ

私の体験で最も後悔していること: 社会保険料の滞納に頼ってしまったことです。
年金事務所で社会保険料の猶予相談をすると、親身に対応してくれます。コロナ禍での猶予制度もありました。私も毎月100万円以上を滞納し、1年で1000万円を超えました。
最初は猶予制度で納付もゆっくりとしたペースでした。ところが、ある年から状況が一変。急に全額納付プラス、過去の滞納分も少しずつでも返済するよう求められるようになったのです。この変化が私の会社の資金繰りを決定的に苦しめました。
こうした公的なお金は優先債権。私の場合、倒産後は預金だけでなく売掛金も真っ先に差し押さえ対象となり、完全に身動きが取れなくなりました。結局返せず、これが破滅の決定打になったのです。
※重要:税務・社会保険料に関する法的事項は、必ず税理士等の専門家にご相談ください。私の体験が全ての会社に当てはまるわけではありません。
7. 私がやっておけばよかったこと:資金繰りを「立て直す」発想への転換
資金繰りが厳しくなったとき、私は「どうやって今月を乗り切るか」ばかり考えていました。でも振り返ると、それでは根本解決にならなかったのです。
私がもっと早くやるべきだったこと: 赤字の構造を徹底的に分析し、不採算部門や過剰な固定費に手を付けることでした。その場しのぎの延命策ではなく、事業構造の見直しが必要だったと今では強く思います。
※ただし、これは私の業界・規模での体験です。状況により対応は大きく異なるため、必ず専門家にご相談ください。
8. 読者の皆さんへ:私の失敗から何か参考になれば

私は最終的に破産しました。債権者とのやりとりは管財人に任せる形で大きなトラブルはありませんでしたが、従業員や取引先には大変なご迷惑をおかけしました。
もしこの体験談が何かの参考になるとすれば:
- 資金繰り表で現実と向き合うこと
- 赤字の根本原因に正面から取り組むこと
- 楽観的な見通しに頼らないこと
ただし、これらは私の業界・規模での体験であり、皆さんの状況とは大きく異なる可能性があります。
最も重要なこと: 必ず複数の専門家(税理士・弁護士・認定支援機関・商工会議所等)にご相談ください。私のような失敗を避けるためにも、プロの知見を活用していただければと思います。
※この記事は個人の体験談であり、経営指導や法的助言ではありません。具体的な対応については、必ず有資格者にご相談ください。
資金繰りの選択肢を知っておくことの大切さ
債権者集会を経験して改めて思うのは、「もっと早く手を打てなかったのか」ということです。
私は当時、資金繰りに困った際にファクタリングという仕組みをよく知らず、結果的にクレジットカードのキャッシングに頼ってしまいました。
もしその時に今の知識があれば、違う選択をしていたかもしれません。
もちろん、ファクタリングが万能の解決策ではありませんし、手数料も決して安くありません。しかし「選択肢として知っておく」ことは重要だと思います。
同じように資金繰りで悩む経営者の方に向けて、私が後から調べた情報をまとめた記事があります:
👉 元経営者が選ぶファクタリング7社比較|資金繰りで悩んだ私が調べた情報まとめ
👉 個人事業主・フリーランスにおすすめのファクタリング5社比較
⚠️ この記事も専門家の監修は受けていません。利用を検討される場合は、必ず税理士・会計士等の専門家にご相談ください。
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※個人の感想です。効果には個人差があります。バランスの良い食事と適度な運動を心がけましょう。
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