その資金繰り対策、もう限界です|倒産前にやるべきだった“本当の決断”とは

資金繰りに悩む中小企業経営者のイメージ。現実から目をそらすことの危険性を象徴する。 経営・資金繰り

今すぐやるべきこと:資金繰りを「持たせること」から「立て直すこと」へ

資金繰りが厳しくなったとき、多くの経営者は「どうやって今月を乗り切るか」に目を向けてしまいます。でも、それでは間に合わないのです。

まずやるべきことは、赤字の構造を見極め、大鉈を振るう覚悟を持つこと。

資金繰り表を作って現実と向き合い、不採算部門や過剰な固定費にメスを入れましょう。テクニックに頼る延命策ではなく、根本的な見直しが必要です。

なぜそれが必要なのか:私の失敗から学んでほしい

私は、製造業で月商3000万円の会社を経営していました。季節変動が激しく、黒字の月もあれば、赤字500万円の月もある。平均すると月100万円以上の赤字が続いていました。

それでも「なんとかなる」と思ってしまったのは、たまたま資金調達がうまくいったことや、その場しのぎのやりくりで凌げていたからです。でも、それは根拠のない楽観にすぎませんでした。

社会保険料の滞納は「最後のカード」ではない

今すぐ伝えたい:社保の滞納は絶対に安易に使ってはいけません。

年金事務所に行って、社会保険料の猶予をお願いすると、相談に乗ってくれます。 これは消費税や事業所税でも同じですが、一時的には効果的に見えても、こういう公的なお金は優先債権。倒産後は預金だけでなく売掛金も真っ先に差し押さえ対象となり、身動きが取れなくなります。

私もコロナ禍での猶予制度を利用し、毎月100万円以上を滞納。1年で1000万円を超えましたが、結局返せず、これが破滅の決定打になりました。

結論:赤字の原因を「今すぐ」見つけろ

岐路に立つビジネスマン。大胆な経営判断を迫られる局面の象徴。

あなたの会社が赤字であるなら、まず原因の特定が最優先です。

私の場合、売上の減少を「一時的」と捉えて、新規出店や営業強化に資金を投じました。でも、どれも失敗。結果として赤字がさらに拡大しました。

赤字の根本にある「不採算部門」や「構造的なコスト過多」に手を付けるべきだったと、今では強く思います。

専門家は魔法使いじゃない:コンサル選びは慎重に

「誰かが助けてくれる」という期待は、往々にして裏切られます。

私は月5万円〜10万円払って何人ものコンサルタントに相談しました。でも、「在庫を減らせ」「売れ売れ」「新規事業を」など、どれも表面的でピンとこないアドバイスばかりでした。

現実に対する洞察と、会社の構造に合った改革提案をしてくれる専門家は非常に少ない。コンサルタント選びも、戦略の一環と捉えるべきです。

霧に包まれた道路。資金の先が見えない経営者の不安を視覚化。

資金繰り表は「延命」ではなく「診断ツール」

資金繰り表を作っていないなら、今すぐ作成してください。

私は資金繰り表を月単位で作成し、「どの月にどれだけ現金が減るか」「いつ資金が底をつくか」を明確にしました。

これにより、「あと●ヶ月で終わる」と腹をくくることができ、改革のリミットも見えました。資金繰り表は”希望”ではなく”現実”を示すツールです。

「上手な資金繰り」は、むしろ罠

壊れた機械を応急処置している様子。資金繰りのその場しのぎ対応の危うさを暗示する。

その場しのぎの資金繰りスキルが上がると、逆に危険です。

私も口座間の資金移動や支払い遅延、支払期日の交渉などで、何度もピンチを切り抜けました。けれど、そうやって時間を稼げるようになると、「まだいける」と錯覚するのです。

でも、黒字化していなければ、すべては後退の先送りに過ぎません。気づいたときには、選択肢が消えていることもあります。

まとめ:あなたには、まだ時間があるかもしれない

窓の外を見つめる男性。自社の状況に思いを巡らせている経営者の姿。

私は破産しました。債権者とのやりとりは管財人に任せる形で特に揉めませんでしたが、従業員や取引先には大きな迷惑をかけました。

あなたが今この記事を読んでいる時点では、まだ選択肢があります。

・資金繰り表をすぐ作る ・赤字の原因に正面から向き合う ・その上で、必要なら人員や部門の整理も含めた判断をする

「なんとかなる」と思っていた私の失敗が、あなたの判断材料になれば幸いです。

冷たさが、今日のストレスを流してくれる。

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