資金繰りが厳しくなり、藁にもすがる思いでメインバンクに相談したところ、銀行からM&Aを勧められました。「M&Aは一つの選択肢だ」と言われ、信頼している金融機関の紹介なら安心だと考え、私は1社のM&A仲介業者と面談することにしました。
しかし、この選択が思わぬ落とし穴でした。
私の体験から見えたM&Aの現実
依頼した業者とのやり取りを進める中で、複数の候補企業と面談する機会を得ました。特に2社の経営者とは話が弾み、会社の理念や将来のビジョンについて深く語り合いました。
「長い付き合いになりそうです」 「引き続き先頭で頑張ってください」

などと、彼らの言葉からはM&Aに対して非常に前向きな姿勢が感じられました。私自身も「これで会社と従業員が救われる」と安堵し、期待に胸を膨らませていました。
しかし、最終的な条件交渉の段階で、話は急展開しました。多額の債務を抱える当社の状況は、買い手側にとって大きなリスクとなり、提示された条件はとても受け入れられるものではありませんでした。結果的に、あんなに前向きに進んでいたM&Aも、不調に終わってしまいました。
それからずいぶん経った後、別のコンサルタントに話を聞く機会があったのですが、その時に、私が当時依頼した業者が「手数料が非常に高い」「成功事例が少ない」といった理由で業界内での評判があまり良くない会社だったと知らされました。
この事実に、私は大きな衝撃を受けました。面談までこぎつけても、最終的な交渉をまとめるには、会社の財務状況を正しく評価し、厳しい現実も踏まえた上で、誠実に対応してくれる仲介業者を選ぶことが不可欠だったのです。銀行が紹介した業者だからと安易に安心せず、自分自身でしっかりと見極めるべきだったと、今でも悔やんでいます。
信頼できるM&Aの相談先

M&Aは、会社の未来、そして従業員の生活を左右する重要な決断です。知り合いの紹介であっても、一社だけに絞らず、複数の専門家や機関に相談し、比較検討することが重要だと痛感しました。
- 中小企業庁の事業承継・引継ぎ支援センター:国が設置している公的な機関です。無料で相談でき、中立的な立場で専門家を紹介してくれます。
- 地域の商工会議所・商工会:地域の公的機関として、M&Aに関する相談も受け付けています。
- 顧問の士業(弁護士・公認会計士・税理士など):日頃から会社の経営状況を把握している顧問の先生に、まずは率直に相談してみるのが最善の策です。
私の経験から言えることは、M&Aは「情報戦」でもあり、同時に「人間関係」でもあるということです。焦って業者に飛びつくのではなく、まずは信頼できる専門家や公的機関と、会社の状況を共有することから始めるのが、成功への第一歩だと確信しています。
まとめ
M&Aは、決して一部の企業だけのものではありません。後継者問題や事業の選択と集中など、多くの経営者が直面する課題を解決する一つの手段です。
私の体験を通して、銀行の紹介であっても鵜呑みにせず、会社の状況を冷静に把握し、信頼できる複数の相談先と腰を据えて話し合うことが、最善の道を見つける上で何より重要だと学びました。この記事が、M&Aを検討している経営者の皆さんの、賢明な判断の一助となれば幸いです。
資金繰りの選択肢を知っておくことの大切さ
債権者集会を経験して改めて思うのは、「もっと早く手を打てなかったのか」ということです。
私は当時、資金繰りに困った際にファクタリングという仕組みをよく知らず、結果的にクレジットカードのキャッシングに頼ってしまいました。
もしその時に今の知識があれば、違う選択をしていたかもしれません。
もちろん、ファクタリングが万能の解決策ではありませんし、手数料も決して安くありません。しかし「選択肢として知っておく」ことは重要だと思います。
同じように資金繰りで悩む経営者の方に向けて、私が後から調べた情報をまとめた記事があります:
👉 元経営者が選ぶファクタリング7社比較|資金繰りで悩んだ私が調べた情報まとめ
👉 個人事業主・フリーランスにおすすめのファクタリング5社比較
⚠️ この記事も専門家の監修は受けていません。利用を検討される場合は、必ず税理士・会計士等の専門家にご相談ください。
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