倒産してから、ずっと人に会うのを避けてきました。 知り合いに見られるのが怖くて、買い物に行くにも通りの少ない道を選ぶようになっていました。
そんな中、唯一連絡を取り合っている友人を通じて、ある会に誘われました。 街の歴史を語るパネルディスカッションで、会社時代に参加していた大きな会から派生した集まりのようでした。
心配してくれた主催者
主催者は私のことをずいぶん心配してくれていたようで、友人が会うたびに何度も「あの人は今どうしてる?」と訊ねていたらしく、 「どうしても来てほしい」と言われました。
実はその主催者から、倒産直後に電話がかかってきたことがあります。本人は操作を間違えただけだと言っていましたが、そんなわけはありません。
とても心配してくれていたのでしょう。ありがたいことです。
とはいえ、今回の参加については、正直迷いました。どんな目で見られるのだろうと不安で仕方が無かったからです。 でも、これだけ心配してくれているのに断るのも申し訳なくて、恐怖を抱えながら参加することにしました。
会場で感じた違和感
会場に着くと、10数人ほどの小さな集まりでした。 私のことを知らない人もいれば、倒産前からよく知っている人もいました。
会場に入ってすぐに、知人の一人と目が合いました。 その人は、何か声をかけたそうにこちらを見ていましたが、結局何も言わずに視線を逸らしました。
その瞬間、分かりました。 声をかけられなかったこと自体よりも、「どう扱えばいいか分からない存在になっている」と分かった瞬間がきつかったんです。
自分が「普通の人じゃない」ということを、はっきりと認識させられました。
ある人が「こいでさん、色が白くなったね。」と声を掛けてきました。そりゃそうです、基本的には自宅に引きこもっていますから。何と答えたものかと迷っていると、その人のとなりに座っていた主催者が肘でその人をつつきました。
主催者に突つかれたその人は、ハッとして目をそらしました。
その人は私の状況を知ってはいたと思うのですが、そこまで深く考えて無かったのでしょう。私としてはそのほうがありがたいのですが。
内容は面白かったけれど
パネルディスカッションの内容自体は、とても面白かったです。 あまり有名ではない地域の武士が、幕末にどんな活躍をしたかという話で、その個性的な人柄に引き込まれました。今回は序盤で、本人の背景などが話の中心。3回シリーズの初回でした。
次回は来月にあるそうです。
話はもっと聞きたい。 でも、また参加するかと言われると、正直迷っています。
受け入れてもらえたことは嬉しかったです。 心配してくれて、参加すれば受け入れてくれた。 それは本当にありがたいことでした。でも、居心地が良かったとは決して言えません。
こちらもまだ社会的な立場もはっきりしていないし、経済的にも余裕がありません。 とにかく今は、人に会うのが怖いんです。
終わった後のこと
会が終わった後、友人と焼き鳥屋に行きました。 その人は会社時代にお付き合いがあった人たちの近況なんかを話してくれます。そして、いつも元の仲間に戻ってきて欲しいと言ってくれます。
正直、みんなと遊んでいる時は楽しかったですし、戻りたいという気持ちが無いわけではありません。ただ、そこに至る道筋がまったく見えません。
その人との別れ際に、酔っ払った私は挨拶しました。「久しぶりのシャバは楽しかったです、ありがとうございました。」本当に楽しかったのです。でもまだまだシャバは私には眩しい。
次回、行けるかどうかは分からないです。


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