今回は倒産と破産の違いについてお話します。 これは調べれば分かることなのですが、自分が認識していたことと少しズレがあったので、そういう切り口からお話したいと思います。
倒産という言葉は会話的に言い換えると「会社が潰れた」という状態をさすという理解でいいと思います。倒産という単語に法的な定義は無く、「お金がなくて営業の継続ができなくなった」という状態だそうです。 法律で言えば、会社更生法、民事再生法、破産法 のいずれかで処理されるのをまとめて倒産と呼んでいるようです。
あとは私的倒産といって、裁判所を通さずに話し合いで廃業するとか、最悪な夜逃げとかでしょうか。 そんなのも含めて「倒産」と呼ぶようです。
ここまでが一般的な説明で、私もそういう認識でした。 しかし今私が違和感を覚えたのは「破産」のポジションについてで この説明ですと「破産」は「倒産」に含まれる事になります。
しかし、「破産」というのは裁判所が開始を決定したら一旦債務が棚上げになって、管財人が資産と負債を整理して債権者に配当する。 それで債権者に納得してもらうという、ある意味「救済措置」の行為であるという部分が大きいです。 債権者の皆様には、本当に申し訳ない話なのですけれども。
これは「自己破産」を例にして考えると分かりやすくて、Aさんがサラ金やカードローンで借金が膨らみ、どうしても返済ができなくなって自己破産する。 そうすると「借金が棒引きになる」「金融業者から追いかけられなくなる」という状態になります。 持っている財産は無くなりますが、ひとまず借金はゼロになります。 Aさんにとっては救済でしかないでしょう。 もちろん、財産が無くなった状態を「破産」と言いますが。

私の会社が「倒産」して、その後じっくりと「破産」の手続きを進めていったわけですが、そうする中で認識が変わっていったのは「先に倒産がある」「そして破産処理をする」という順序です。 つまり、「会社が立ち行かなくなり閉店しました」=「倒産」 からの 「借金が返せません、裁判所にお願いします」=「破産」で、これは「倒産の後の処理方法が、たまたま破産だった」という順番というか意味の違いと分かりました。
こういうブログを書き始めた頃は、当初は「倒産」も「破産」も同じようなものだと思いながら進めていたのですが、途中から自分に起こったことが何であるかを確認する中、言葉の使い方を意識するようになったという今回のお話です。
まとめると、「倒産」は、会社が立ち行かなくなって閉店した状態 「破産」はその会社の全てをどう処分するかという手続き と理解しました。(私は)
一つの切り口でしか無いと思いますが、なってみないと分からないだろう肌感覚というのがありましたので紹介してみました。
あなたの参考になりませんように。
倒産からの流れについてはこちら 倒産手続きから債権者集会までの流れ
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