【実体験から解説】「倒産」と「破産」の違い|経営者が知っておくべき認識のズレ

倒産と破産の違いに困惑するビジネスマンのイメージ 破産・倒産手続き

※この記事は筆者の個人的な体験に基づく内容であり、法的なアドバイスを提供するものではありません。具体的な手続きや判断については、必ず弁護士などの専門家にご相談ください。

「倒産」と「破産」という言葉を混同していませんか?私自身も実際に経験するまでは、この2つの言葉の違いを正確に理解していませんでした。

実際に経験してみて初めて「あ、この2つって違うんだ」と気づきました。今回は、私の実体験を交えながら、倒産と破産の違いについて解説したいと思います。

1. 私が「倒産」を実感した瞬間

会社が立ち行かなくなった時の実感

かねてより資金繰りには苦しんでいましたが、2年前の冬からは特に深刻な状況でした。その場しのぎの対策を続けながら1年は何とか持たせてきましたが、翌年の冬にはもう限界でした。

「もう営業が続けられない」と本格的に悟ったのは、手元資金が底をつき、翌月の家賃や従業員の給料が払えない現実に直面した時でした。

まさに、これが「倒産」の実感だったのです。

「倒産=破産」だと思っていた理由

実は、この段階でも私は「倒産」と「破産」をほぼ同じ意味で使っていました。なぜそう思っていたかというと、これまで見てきた取引先の倒産事例が、みんな最終的に破産手続きをしていたからです。

「○○会社が倒産した」→「破産手続きに入った」という流れを何度も見ていたので、自然と「倒産=破産」という認識になっていたんですね。

もちろん、経営が厳しくなってからは民事再生や廃業といった選択肢についても一通り勉強していました。でも、あくまで知識として知っているだけで、実感は全くありませんでした。

弁護士相談では破産前提で話をしていた

コンサルタントからも「この状況では民事再生は現実的じゃないでしょう」と言われていたので、弁護士への相談も最初から破産手続きを前提として話を持っていきました。

実際の相談では、手続きのスケジュールや必要な準備について詳しく教えてもらいました。正直、段取りの話でいっぱいいっぱいで、「倒産と破産の違い」なんて考える余裕もありませんでした。

営業停止で空になったオフィスのイメージ

2. 「破産手続き」を実際に体験して理解したこと

破産申立から開始決定まで

弁護士と相談してから営業停止まで2週間、そこから破産申立まで1週間、開始決定まで9日間でした。営業停止の時点で、弁護士から取引先には破産申立の依頼を受けたという通知がFAXで送られました。

書類準備は想像以上に大変でした。過去3年分の決算書、取引先一覧、資産目録、債権者リストなど、膨大な資料を整理する必要がありました。弁護士と何度も打ち合わせを重ね、やっと申立の準備が整いました。

裁判所での手続きは弁護士が全て行ってくれたので、私が直接裁判所に行くことはありませんでした。開始決定が出た時は、正直「いよいよ始まった」という感じでした。

破産管財人との実際のやり取り

破産手続開始決定後、破産管財人(弁護士の先生)が選任されました。管財人との詳しいやり取りについては、別記事で書いていますが、思っていたより親切で理解のある方でした。

破産管財人からは、会社の財産について色々と聞かれました。銀行にいくら残ってるか、売掛金は回収できそうか、在庫や機械はどれくらいの価値があるか、といったことです。

財産の売却と現在の状況

この時期は、破産管財人の先生が土地建物や機械設備をどのように売却していくか検討されている段階でした。効率的に換価する方法について、私も相談を受けながら進んでいる状況でした。

まだ手続きは進行中で、最終的な処理は完了していませんが、この一連の流れを通じて「破産手続き」というものの実際を体験することになりました。

破産手続きに必要な書類のイメージ
Lawyers and clients are discussing contract agreement terms and conditions together in a meeting, focusing on important documents and paperwork, legal advice, and signature approval

3. 体験してわかった「倒産」と「破産」の本質的違い

時系列で整理した私の理解

実体験を通じて理解した倒産と破産の違いは、以下のようなものでした:

倒産の段階 「お店を閉めることになりました」

  • 売上激減、資金繰り悪化
  • 営業継続の断念
  • 事実としての状態を表す言葉

破産の段階 「借金の整理を裁判所にお願いすることになりました」

  • 倒産後の具体的な処理方法の選択
  • 法的手続きによる債務整理
  • 手続きの名称を表す言葉

つまり、「倒産した会社の後始末の方法が、たまたま破産手続きだった」というのが正確な理解だと思います。

ブログを書く中での認識の変化

実は、この体験をブログに書き始めた当初は、私自身も「倒産」と「破産」をほぼ同じ意味で使っていました。でも、人に説明するときに「どっちの言葉を使おうかな」と意識するようになったんです。

倒産と破産の違いを表す2つの道筋のイメージ

4. まとめ:実体験から伝えたいこと

倒産と破産の違い(体験談まとめ)

実際に体験した者として、倒産と破産の違いを改めて整理すると:

倒産

  • 会社が営業を継続できなくなった状態
  • 事実の描写を表す一般的な用語
  • この後にどう処理するかは別問題

破産

  • 裁判所による法的な債務整理手続き
  • 会社の資産を換金して債権者に配当する仕組み
  • 倒産後の処理方法の一つ

言葉の正確な理解は、特に同じような状況に直面した経営者にとって重要だと思います。

読者へのメッセージ

この記事を読んでくださっている方には、この情報を実際に使う必要がない状況であることを心から願っています。しかし、言葉の正確な理解は重要だと思い、実体験に基づく違いをお伝えしました。

より詳しい体験談について

時期は前後しますが、私の具体的な経緯や手続きの詳細については、別記事でも詳しく書いています。こちらも併せてご参照いただければと思います。


※重要な注意事項 この記事は筆者の個人的な体験談であり、法的なアドバイスを提供するものではありません。実際の手続きや判断については、必ず弁護士、税理士などの専門家にご相談ください。また、法改正等により手続きの内容が変更される場合がありますので、最新の情報は専門家にご確認ください。

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