この記事について
この記事は、会社を倒産させ、自己破産を決断した64歳の元経営者の実体験に基づいています。公的な制度については一般的な情報を記載していますが、詳細は自治体や加入している健康保険組合によって異なります。必ず管轄の窓口でご確認ください。
会社倒産後に経営者が選べる健康保険の選択肢
会社が倒産すると、経営者も社会保険の資格を失います。そうなると、次のいずれかの選択をする必要があります。
1. 国民健康保険に加入する
- 最も一般的な選択肢
- 市区町村の窓口で手続き
- 資格喪失日から14日以内に手続きが必要
メリット:手続きが比較的簡単
デメリット:前年の所得が高いと保険料が高額になる
2. 家族の健康保険の扶養に入る
- 配偶者や子どもの会社の健康保険に加入
- 扶養の条件:
- 60歳未満:年収130万円未満
- 60歳以上:年収180万円未満
- 保険料の負担なし
メリット:保険料がかからない
デメリット:収入条件があり、年金受給などで外れる可能性がある
3. 任意継続被保険者になる
- 退職前の健康保険を最大2年間継続
- 会社負担分も自己負担になるため保険料は高額
- 資格喪失日から20日以内に手続きが必要
メリット:保険内容が変わらない
デメリット:保険料が高額(会社負担分も自己負担)
※詳細は各健康保険組合や市区町村の窓口でご確認ください。
参考:厚生労働省 健康保険制度
国民健康保険の申請に必要な書類と手続き
国民健康保険に加入する場合、以下の書類が必要です。
必要書類
- 資格喪失証明書(健康保険資格喪失証明書)
- 社会保険の資格を失った日を証明する書類
- 年金事務所または健康保険組合が発行
- 離職票とは別物
- マイナンバーカード(または通知カードと本人確認書類)
- 印鑑(自治体によっては不要)
資格喪失証明書は、自治体によって「健康保険資格喪失届」「被保険者資格喪失届」など名称が異なりますが、内容は同じです。
国民健康保険料について
保険料は以下の要素で決まります。
- 前年の所得
- 世帯の加入人数
- 住んでいる市区町村
倒産直後は前年の所得が高いため、保険料が高額になるケースが多いです。ただし、失業や倒産の場合は保険料の減免制度が利用できる自治体もあります。詳しくは市区町村の窓口でご相談ください。
扶養から外れるタイミングと年金受給の注意点
扶養に入れたことで、国保のことは忘れていた
倒産後、私は家族の会社の扶養に入ることができました。
- 保険証は使える
- 医療費の心配もない
- 保険料の負担もない
という状態だったので、国民健康保険のことは頭から抜けていました。正直なところ「ひとまず安心」と思っていました。
ところが、年金が原因で話が変わってきた
状況が変わったのは、年金の繰り上げ受給を申請し、給付を受けるようになってからです。
私の場合、年金の受給額は月16万円程度。年間にすると約192万円です。
私は64歳なので、扶養の収入条件は年収180万円未満。
今年は年金の給付が途中からだったので超えずに大丈夫でしたが、来年は超えてしまいます。
年末調整の申告で判明する流れになるので、「これはいずれ扶養から外れるな」と思うようになりました。
これから私が進める国民健康保険への切り替え手順
今日は仕事納めです。年末年始は、会社も役所も動きません。
なので年が明けたら、以下の順番で動くつもりです。
手順1:扶養から外れる日を確認する
- 家族の会社に、年金受給開始で扶養から外れるのかどうか確認してもらう
- 扶養から外れる場合、資格喪失日はいつになるのか確認
手順2:資格喪失証明書を発行してもらう
- 扶養から外れることが確定したら、家族の会社から資格喪失証明書を発行してもらう
- この書類が国保申請に必要
手順3:市役所で国民健康保険の加入手続きをする
- 必要なものを持って市役所へ
- 資格喪失証明書
- マイナンバーカード(または通知カードと本人確認書類)
- 印鑑(自治体によっては不要)
- 国民健康保険の加入手続き
- 保険料の試算も確認
- 減免制度が利用できるかも相談
国民健康保険の申請は、「いきなり役所に行くもの」ではなく、前段の確認が意外と大事だと感じています。
※この手順は私の個人的な状況に基づくものです。皆さんの状況に応じて、市区町村の窓口でご相談されることをおすすめします。
おわりに:元経営者だからこそ盲点になりやすい自分の手続き
社員の手続きは何度もやってきたのに、いざ自分のことになると分からない。
倒産・破産の手続きは弁護士や社労士に任せる部分も多く、後から「あれ、自分の分はどうしたんだっけ?」となることも少なくありません。
特に、扶養に入れた場合は「ひとまず安心」と思ってしまい、将来的に扶養から外れる可能性を見落としがちです。
年金受給や収入の変動があったときには、改めて健康保険の状況を見直す必要があります。
この記事が、同じような立場の方の「一歩目」の整理になれば幸いです。
関連記事
※破産後のメンタルの不調や社会復帰のステップを含めた再出発の全体像は、【徹底ガイド】自己破産後の「再出発」総まとめでご確認いただけます。
免責事項
この記事は筆者の個人的な経験に基づくものであり、すべての方に当てはまるものではありません。健康保険や年金に関する制度は複雑で、自治体や健康保険組合によって取り扱いが異なる場合があります。具体的な手続きについては、必ず管轄の市区町村窓口、年金事務所、または健康保険組合にご確認ください。


コメント