【経営判断】税理士に相談しなかった理由|倒産まで気づかなかったこと

破産後の生活・再出発

倒産を覚悟して弁護士に相談に行った時点でも、税理士には何も言っていませんでした。

隠していたわけではありません。ただ、相談する相手として思い浮かばなかったのです。

なぜそうなっていたのか。今になって振り返ると、いくつかの理由が見えてきます。

先代から続く関係

税理士事務所は、わりと手広くやっているところでした。先代の頃は代表が実務担当者を連れてやって来ていて、年に2回くらい顔を出していました。納税の手続きと決算の説明が目的です。

先代の頃は景気も良かったので、代表はいつも「いや〜、オタクの決算は素晴らしい!私の取引先でもこんな会社は無いですよ」みたいなお世辞ばかり言う人でした。

先代がそれを聞いて満足していたわけでもありませんでしたし、私も面倒だなとは思っていましたが、成り行きでその関係を引き継ぎました。問題がなかった時代の距離感です。

数字が悪くなってから、何が変わったか

私の代になり、業績はだんだん悪化していきました。前年が黒字でも、翌年は赤字決算とか、フラフラしていくようになりました。そして赤字決算が続くようになっても、しばらくは同じ調子で代表が来て、褒めちぎって帰るというのが続きました。安心材料として、内部留保が大きかったからです。

ところが、いよいよ流動比率も1を切ってきて雲行きが怪しくなってくると、代表本人は来なくなりました。

実務担当者だけが来て、事務的な処理を進めるだけになったのです。

正直、違和感はありました。でも、あまり気にもしていませんでした。

話が長くて、嫌いだった

代表はとても話が長い人で、どうでもいいことを30分くらいダラダラ話します。私も先代も実務担当者も、嫌な顔をしながら聞いていました。

なので、その税理士事務所に対してのお付き合いは、信用というより惰性に近いものでした。

これはもう、好き嫌いの問題です。

決算の処理など計算については信頼していましたが、それ以外については、こちらから踏み込んだ話をする気が起きませんでした。

だから税理士は、「納税を処理してくれる人」以上の存在にはなりませんでした。

税理士は「納税の計算をする人」だと思っていた

実務担当者はとても事務的な人で、淡々と仕事を進める人でした。実務的には信頼していました。

ただ、社風だったのかクライアントに厳しい言葉はかけないようにしていたのか、倒産寸前の財務状態でも、私に厳しいことはあまり言いませんでした。

そして私も、税理士事務所に対して経営の相談をするという発想がありませんでした。

税理士は納税の計算をする人だと、ずっと思い込んでいたのです。だから経営の話をする相手として、最初から外していました。

倒産後に知ったこと

顧問税理士が、クライアントの会社の経営状態をチェックする役割だと知ったのは、倒産後でした。

ブログを書くようになって調べたり、弁護士に「税理士は何と言っていますか?」と聞かれたりして、初めて気づきました。

驚いたのは、弁護士が当然のように税理士の意見を確認してきたことです。つまり、普通はそういう相談をするものなのだと、倒産後に知ったのです。

本来、そういう仕事をしてくれていれば、もっともっと早い段階から手を打てたんじゃないかと思います。コンサルなんかよりも、何倍も経緯とか歴史とか、社業に関することとかよく知っていて詳しかったからです。

一番知っている人に、一番大事な相談をしなかった。この矛盾が、そのまま当時の判断不能な状態を表しています。

簿記を理解したのは、倒産の4年前だった

私も経営に携わることが分かっていましたから、入社当時から簿記の勉強は上っ面だけはやっていました。しかし、本格的に理解したのは自分で入力やら処理をするようになってからで、それは倒産の4年前くらいです。遅かったですね。

簿記が分かったというよりも、自分の会社の状態とか、お金の流れとか、そういう生々しいところを把握できたのが遅かったという事です。出された資金繰り表や試算表を見ていても、腹に落ちてなかったんですよね。

分かっていれば、こちらから税理士に(実務担当者に)相談することもできたかもしれないのに。

数字が読めないうちは、会話も成立しません。

経営相談はしないまま、倒産した

結局、税理士に経営相談はしないまま、倒産してしまいました。

役割を狭めたのは自分です。距離を取ったのも自分です。

それでも当時は、やっているつもりでした。

もし過去の自分に声をかけられるなら、何と言うでしょうか。「税理士に相談しろ」というよりも、それより先に、「数字を読めるようになれ」「自分の状態に気づけ」と言うかもしれません。

倒産の原因はたくさんある気がしますが、これが主原因だったのかは分かりません。

ただ、そうやって倒産したという事実だけが残っています。


※本記事は個人の体験に基づくものです。税理士の役割や業務内容は、事務所や契約によって異なります。

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