今回はXデー(社内外に会社の営業停止を告知する日)から数日間、社長に起こった実際についてお話します。
破産通知で一変した日常
会社がXデーを迎え、社内や主要取引先に破産の通知をした瞬間から、社長である私の生活は一変しました。経理や勤怠管理も自分でこなしていたので、破産手続きに必要な資料作りはすべて私の仕事。売掛金の確認、債務のリストアップ、細かい数字の照合など、弁護士や社会保険労務士に言われるがまま 懸命に資料を作り続けました。
書類運びのドタバタ
まず最初に取り組んだのは、会社の車が使えるうちにパソコンや必要書類を自宅に運ぶこと。破産の開始決定がされると、自分が使っていた車は使用できなくなると聞いていたので、急いで引っ越しを始めました。
自分の会社に潜入の現実
自室に作業スペースを確保し、破産申し立ての準備を整えました。それでも、会社に残した資料を確認する必要が頻繁にありました。自分の車があると「社長がいる」とバレてしまうので、人目を避けて休日か平日なら夕方以降にこっそり会社へ。
カーテンを閉め、照明を最小限にして作業する姿は、まるで部外者のよう。自分の会社なのに、なぜこんなコソコソしなきゃいけないのか…。情けなさと悔しさが胸を締め付けました。

従業員書類の緊急対応
離職票の準備
破産を申し立てた後、真っ先に取り掛かったのは従業員に関する書類の整理です。 これは別の記事でも詳しく説明しますが、離職票や社会保険の手続きを急いでやらなければいけません。
最後の賃金計算の辛さ
従業員の生活に直結するものなので、できるだけ早く、間違いがあればすぐに対応していきました。未払い賃金の計算は、これで最後なのだと思うと精神的に一番キツい作業でした。
Tips: 破産手続きでは、従業員関連の書類は最優先で対応を。ハローワークや社会保険事務所のウェブサイトで最新の手続き情報を確認すると、効率的に進められます。また、弁護士や専門家に相談することで、ミスを減らし精神的負担も軽減できます。
会社への潜入と虚しさ
会社に残された資料を確認するため、人目を避けて会社に出向く日々が続きました。 誰か来ないかとビクビクはしていましたが、自宅よりも長い時間を過ごしてきた会社は、残り少ないであろう時間を惜しむかのような気持ちでした。
会社への未練
この頃はまだ会社に通うことの習慣が抜けきれておらず、急いで資料を作って提出するというのも仕事で毎日のようにやっていた事だったので、作業が始まれば日常のようであまり変わり映えしませんでした。
ただ、本当は「会社に自分の居場所は無い」、「会社に対して、なんの権利も権限もない」という現実は、作業をしていても気持ちを虚しくするものでした。
従業員の私物対応
従業員から「私物を忘れたので取りに行きたい」と連絡があり、当人が会社で片付けながら「これはどうせ捨てるでしょうから、持って帰ってもいいですか?」と尋ねられても、許可できる立場にはないというのは辛かったです。
その時ですら、「社長~?」と呼ばれていましたから。

破産手続きを進める人へのメッセージ
破産手続きは、肉体的にも精神的にも消耗するプロセスです。今の私はまだその真っ只中。書類の山と向き合いながら、情けなさや悔しさ、従業員への申し訳なさと格闘する毎日です。
今できる一歩
正直、ゴールが見えないし、気持ちが折れそうになる瞬間も多い。でも、目の前の作業を一つずつ片付けることで、ほんの少しだけ前に進んでいる実感があります。
同じような状況にある人には、「今はキツくても、今日できることをやってみるしかない」と伝えたい。自分にも言い聞かせながら、一歩ずつ進んでいます。
このブログでは、今後も破産後のリアルな体験や手続きの記事を更新していきます。よかったらまた覗いてください!
あなたの体験も聞かせてください!コメント欄やSNSでシェアお待ちしてます!
コメント