【重要な免責事項】
⚠️ この記事は私個人の体験談であり、法的助言や医療的助言を提供するものではありません。
⚠️ 破産手続きは個々の状況により大きく異なります。
⚠️ 同様の状況にある方は、必ず弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。
破産=地獄?私が感じたイメージと現実のギャップ
私は数ヶ月前、自分が経営していた会社を破産させる経験をしました。今回は、その時の率直な心境や体験をお話しします。
「会社が破産する」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?私も当初は、銀行や債権者が会社や自宅に押し寄せ、電話が鳴り止まず、精神的にも物理的にも追い詰められる…そんな地獄絵図を想像していました。
実際に私が体験したのは、確かに携帯電話が鳴り続いた営業停止当日と翌日でした。ただし、サイレントモードにしていたので、着信記録が溜まるだけの状態でしたが。
思っていたよりも大きな混乱は起きませんでした。その理由は、事前に弁護士さんと綿密な準備をしていたからだと思います。
弁護士さんとの事前準備が心の支えに

破産を決断した後、弁護士さんと相談して「営業停止の日時」を決め、従業員に伝えた後、すぐに債権者にFaxで連絡しました。内容は大体こんな感じでした:
「当社は破産申請を予定しており、弁護士が委託を受けました。今後の連絡は弁護士までお願いします。」
このFaxを送った後、債権者からの直接の連絡はほぼなくなり、弁護士さんがすべての対外的な対応を引き受けてくれました。幸い取引先も理解のある方ばかりで、大きなトラブルは避けられました。
債権者側も「もうこの会社に連絡しても仕方ない」と判断し、損失計算のフェーズに移るようでした。私自身、過去に取引先からそんなFaxを受け取った経験があったので、その気持ちは理解できました。
一番つらかったのは従業員への対応

対外的な負担は軽減されたものの、実は一番心が重かったのは従業員への対応でした。
破産を宣言した瞬間から、社長としての権限はほぼなくなります。私はただの「管財人のお手伝いをする無職のおじさん」になってしまいました。それでも、従業員からは「これからどうなるのか」「給料は?」「仕事は?」と、まるで私が全権を握っているかのように質問が殺到しました。
特に多かったのは、未払い賃金や解雇予告手当、雇用保険に関する問い合わせでした。「未払いの給料はいつ支払われるのか?」「解雇予告手当はもらえるのか?」といった具体的な質問に、私は明確に答えることができませんでした。
破産手続き中は管財人がすべてを管理しているため、私には正確な情報を提供する術がなかったのです。
ある時、従業員の代理人から直接電話がかかってきたこともありました。私の曖昧な態度に対し、かなり厳しい口調で「従業員の権利を守るために動く」とまで言われましたが、こちらは事実を伝えることしかできませんでした。その電話の後、胸が締め付けられるような無力感に襲われたのを今でも覚えています。
「不誠実だ」「無責任だ」と批判されることもあり、その言葉は深く刺さりました。反論したくても、確かにその通りだったので言い返すことができず、その苦しさが心に重くのしかかりました。
ただ、救いもありました。「社長も大変ですよね。体に気をつけてください」と声をかけてくれる従業員もいて、その一言がどれだけ心を軽くしてくれたか分かりません。今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
【参考】従業員の方の権利について
従業員の方が利用できる公的な制度については、以下の公的機関が詳しい情報を提供しています:
- 厚生労働省:未払賃金立替払制度
会社が倒産した場合に、未払い賃金の一部を国が立て替える制度です。 - 独立行政法人労働者健康安全機構:未払賃金の立替払事業
具体的な手続きや必要書類について詳しく説明されています。 - ハローワーク:雇用保険について
会社都合退職の場合の雇用保険手続きについて案内されています。
⚠️ これらの具体的な対応は、必ず管財人または弁護士、最寄りのハローワークや労働基準監督署にご確認ください。
私なりのメンタル維持方法

破産後の数ヶ月は「自分は何者なんだろう」と自問自答する日々でした。無職の状態で、自己破産の手続きも進める中、精神的なダメージは計り知れませんでした。
夜中に目が覚めて、将来の不安に押し潰されそうになったことも度々ありました。そんな時、支えになったのは家族や友人、弁護士さんや管財人の方の気遣い、そして前向きな従業員の言葉でした。
具体的にどうやってメンタルを保ったか?正直、最初は自分を甘やかすことから始めました。
普段は制限していた飲食を少し緩めて、お腹いっぱいになるまで食べたり、知らない食堂でお昼を食べたり、夜にビールや焼酎をたくさん飲んだり(笑)。「今だけはいいよね」って自分を許すことで、少し心の余裕ができました。
また、ストレス対策のサプリメントや漢方薬も、私には合っていたようです。ドラッグストアで相談して購入したのですが、夜のドキドキが少し落ち着きました。
もし同じような状況にある方がいらっしゃるなら、こういったちょっとした工夫でも心が軽くなるかもしれません。
⚠️【重要】体調管理について
体調に不安を感じる方は、必ず医師または薬剤師にご相談ください。
上記は私個人の体験談であり、効果を保証するものではありません。心身の不調を感じた場合は、専門家の診断を受けることを強くお勧めします。
最後に
会社が破産したら、社長は地獄を見るのか?私の答えは「確かにつらい体験だったけれど、周囲の支えで少しずつ前に進むことができた」です。
完全に立ち直るまでには時間がかかりましたが、今振り返ると、人のやさしさや支えの大切さを改めて実感した貴重な経験でもありました。
この記事が、同じような状況にある方の参考になれば幸いですが、具体的な法的・財務的な判断については、必ず専門家にご相談ください。
この経験があなたには必要ないことを、心から願っています。
【著者について】
製造業(最盛期:従業員約100人、売上約19億円)を経営。業界の構造的不況により約20年間で売上が約3億円まで縮小し、15期連続赤字の末、従業員約30人の段階で破産を経験。
本サイト(koidenoboru.com)では、元経営者としての実体験を率直に共有し、同じような状況にある方々の参考になることを願って情報発信をしています。
※本記事の内容は著者の個人的な体験に基づくものであり、すべての方に当てはまるわけではありません。法的・財務的な判断が必要な場合は、必ず専門家(弁護士、税理士、公認会計士など)にご相談ください。
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- 私の会社が破産するまで|赤字を耐えた製造業の最期
本記事は上記の続編として、破産後の心境と実務面での体験をまとめています。 - その他の関連記事(今後追加予定)
最終更新日:2025年10月7日
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