60代で会社を倒産させ、自己破産した私が、4ヶ月かけてようやく土日のアルバイトにたどり着くまでの実体験をお話しします。元社長の再就職がどれほど大変かは、皆さんも想像がつくと思います。実際に体験してみると、想像以上に心理的なハードルが高いものでした。
生活費の確保については別記事で詳しく書いていますが、今回は「再就職」という次のステップに焦点を当てます。あくまで私個人のケースで、たまたまこうなったという話ですが、同じような状況の方の参考になれば幸いです。
私の4ヶ月間:心境の変化を正直に
1ヶ月目:就職なんて考えられない状態
会社を倒産させてから約1ヶ月。この時期は、就職活動どころではありませんでした。
法人破産だったので管財人がついて、毎日のように連絡が入りました:
- 財務書類の整理
- 得意先への連絡
- 従業員の給与計算確認
- 社労士との打ち合わせ
それに加えて、生活費の確保でも頭がいっぱい。預金の掘り起こしや保険の解約手続きなど、当面の生活をどう維持するかで精一杯でした。
「就職活動」という言葉さえ、私には重すぎました。元社長が今さらどこで働くのか、そもそも雇ってくれる会社があるのか…考えるだけで気が重くなりました。
【この時期の私の心境】
- 毎日が管財人対応と生活費確保で手一杯
- 「再就職」なんて言葉を口にするのもおこがましい気持ち
- 将来への漠然とした不安で夜も眠れない
2ヶ月目:求人を「眺める」だけから始めた
少しずつ心の整理がついてきたころ、ふとハローワークの求人をネットで見てみることにしました。別に応募するつもりはなく、「世の中にはどんな仕事があるんだろう」という興味本位でした。

そんな中、目に留まったのが「ビジネスホテルの朝食係」の求人でした。
- 早朝4時間程度の勤務
- 未経験歓迎
- 年齢不問
「これなら私にもできるかもしれない」
人生で初めて、倒産後に「できそうな仕事」を見つけた瞬間でした。それまでは漠然とした不安ばかりでしたが、具体的な仕事を想像できたことで、少しだけ前向きな気持ちになれました。
でも、まだ応募する勇気はありませんでした。
3ヶ月目:応募ボタンを押せない理由
気になる求人はいくつか見つかりましたが、応募ボタンを押すことができませんでした。理由ははっきりしています:恥ずかしさと不安でした。
具体的な不安:
- 職場の人間関係がうまくいくか分からない
- 過去のことを根掘り葉掘り聞かれたりすると面倒くさい
- 破産処理がまだ終わってないから、そっちが優先だ
特に最後の点が大きくて、破産手続きが最優先という状況では、就職活動に集中できませんでした。「今日は面接です」という時に管財人から「今すぐ来てください」と言われたら、どうしようもありません。

この時期は、求人を見ては「応募しようかな」と思い、でも結局諦めるということの繰り返しでした。
4ヶ月目:土日バイトという発見
転機は「土日だけなら働けるかもしれない」と思った時でした。
平日は管財人との連絡が入る可能性が高いけれど、土日なら比較的自由に動けます。「週2日だけなら、何とかなるかも」そう考えて、土日限定の試験監督バイトに応募してみました。
現在応募中の働き方:
- 土日限定の試験監督(資格試験や入学試験の監督業務)
- 1日10時間程度の立ち仕事
- 月収は3-8万円程度(採用されるかどうかで変わる日雇い)
この仕事を選んだ理由は、以前にも経験があったことと、前職とは全く接点がないのでやりやすそうだったからです。
正直、収入としては決して多くありませんし、採用されるかも分からない不安定な仕事です。でも私にとって大切だったのは、お金よりも「社会とのつながり」でした。
まだ応募段階ですが、この選択肢を見つけただけでも、少し前向きな気持ちになれました。以前の経験を活かせる仕事で、かつ前職とは全く関係ない分野なので、心理的な負担も軽そうです。

私が感じた年代の壁(60代の現実)
私の場合、60代という年齢も大きなハードルでした。
以前、50代で転職した知人の話を聞いていたので、最初は「自分も同じようにいくだろう」と甘く考えていました。でも実際は全然違いました。
私が実感した60代の厳しさ:
- 体力面:長時間の仕事はきつい
- 適応力:新しい職場のルールを覚えるのに時間がかかる
- 技術面:最新のシステムについていけない
そんな中で、私にとって現実的だと感じた選択肢は限られていました:
私が検討した働き方:
- 試験監督バイト:以前の経験を活かせる(私が選んだ道)
- シルバー人材センター:年齢を気にしなくて良い
- 単発バイト:管財人対応の都合がつけやすい
収入面では、私が応募中の試験監督は月3-8万円程度です。以前の収入とは比べものになりませんが、「社会復帰の第一歩」としては十分だと思っています。

私が実際に使ったもの・やったこと
履歴書はIndeedで簡単に
倒産理由をどう書くかで悩みましたが、結局Indeedの応募画面で簡単に入力しただけです。面倒なことはあまり詳しく書きませんでした。
私が実際に入力した内容:
- 会社名と「清算手続き中」程度の簡単な記載
- 詳しい倒産理由は書かず
- 経歴も最小限に
オンライン応募なので、細かい説明を求められることもなく、気楽でした。
面接はまだ受けていません
試験監督の応募はしましたが、まだ面接には呼ばれていません。応募者が多いのか、返事待ちの状態です。
もし面接があったら何を聞かれるだろうかと考えることはありますが、実際はまだ分からない状況です。
私が利用したサービス
ハローワークのネット検索: 実際に窓口に行ったことはありませんが、ネットで求人検索はよく使いました。地域の求人情報が豊富で、「こんな仕事もあるんだ」という発見がありました。登録とか面倒な手続きなしに眺められるのが良かったです。
Indeed: これが一番使いやすかったです。登録して応募も簡単にできますし、向こうから求人情報を送ってくれるので、自分では探さないような職種にも出会えます。
シルバー人材センター: まだ利用したことはありませんが、60代の選択肢として検討はしています。同世代の方が活躍している場所があるというのは、心強い情報です。
私なりのメンタル維持法

無職期間の孤独感への対処
人生で初めて「無職」になった私にとって、孤独感は想像以上につらいものでした。
私なりの対処法:
- 早起きして作業:5時半に起きて、このブログのチェックやメンテナンス
- 記事執筆:何か役に立てるかなと思って記事を書く
- 破産処理を最優先:これが今一番大事な仕事だと割り切る
「休憩期間」なんてとんでもありません。破産処理という重要な仕事があるので、それをまず終わらせることが何より大切だと思っています。
「働く意味」を考え直した
以前は「売上」「利益」が働く目的でしたが、今は違います。
土日バイトを検討するようになって気づいたのは:
- 社会とのつながり:家に閉じこもっているだけでは得られないもの
- 知らない人との会話:新しい出会いや刺激
- 広い選択肢から今後の希望:いろんな働き方を知ることで将来が見える
収入は少なくても、これらは以前の仕事では得られなかった価値かもしれません。
同じような状況の方へ
もしこの記事を読んでいる方で、倒産や破産の不安を抱えている方がいらっしゃるなら、私の経験から思うことを少しだけ。
60代で倒産を経験した私でも、4ヶ月かけて試験監督バイトに応募するところまで来れました。完璧な再就職ではありませんし、まだ採用されるかも分かりませんが、確実な一歩だと思っています。
私の場合は「求人を眺める」→「気になる求人を見つける」→「土日だけ応募する」という段階を踏みました。いきなり理想的な仕事を目指すのではなく、小さな一歩から始めることで、心理的なハードルを下げることができました。
あなたの状況は私とは違うかもしれませんが、きっと何かしらの道は見つかるはずです。
まとめ
私の4ヶ月間をまとめると:
- 1ヶ月目:就職活動どころではない状況
- 2ヶ月目:求人を「眺める」ことから始めた
- 3ヶ月目:応募への心理的ハードル
- 4ヶ月目:土日バイトという現実的な選択
たまたま私の場合はこのような経過をたどりましたが、人それぞれ違うペースがあると思います。大切なのは、自分なりの小さな一歩を見つけることかもしれません。
生活費の確保から始まって、ようやく再就職の入り口に立てた気がします。まだまだ道のりは長いですが、一歩ずつ進んでいこうと思っています。
※注意事項: この記事は私個人の体験談です。状況や年齢、地域によって就職環境は大きく異なります。具体的な就職活動については、ハローワークなどの専門機関にご相談ください。
冷たさが、今日のストレスを流してくれる。
デスクで手軽にアイスカフェタイム。6種の味で気分もリセット。
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