2回目の債権者集会は、法人と個人の連続開催で合計5分で終わりました。
それより正直、印象に残っているのは裁判所の待合室でメインバンクの担当者と鉢合わせした瞬間です。あの時の「社長、すみません…」という声は、今でも耳に残っています。
2回目への心境

初回の債権者集会は7分で終わりました。「債権者から厳しく追及される」と覚悟していたのに、拍子抜けするほどあっさり終わった。その経験があったので、2回目への恐怖は初回ほどではありませんでした。
ただ、完全に気が楽だったわけでもありません。「2回目はもっと詳しく聞かれるかもしれない」「今度こそ厳しい質問が来るのでは」という新たな不安も芽生えていました。
逆に正直なことを言うと、「債権者が誰も来なかったらラッキーだけどな」という甘い考えもありました。
弁護士に2回目の集会の話を振っても、「あぁ、そうでしたね」くらいの気の無い返事。専門家にとっては日常業務のひとつなのでしょうが、こちらとの緊張感の差がすごかったです。
弁護士との連絡自体、初回の頃と比べて極端に減っていました。破産処理も最終段階に近づいているので、特に対策もなく、説明も不要という感じです。当日隣に座っていてくれるという安心感だけは絶大でしたが。
2回目特有の事情
今回は法人の集会に加えて、個人の自己破産に関する債権者集会も同日開催の予定でした。管財人からは「通常は同じ日程で行うことが多い」と聞いていました。
また、会社の土地と建物は買い取り先が決定し、契約も終わっていました。ただ、残置物に契約外のものがあり、撤去に時間がかかっているとのことでした。そのため手続きが少し遅れていましたが、私がすることは何もなく、前回と同様「特段の準備は不要」という連絡でした。
弁護士からもSNSで「当日はよろしくお願いします」くらいの連絡があっただけ。拍子抜けするほど何もない準備期間でした。
メインバンク担当者との再会

裁判所に着いて、弁護士との待ち合わせ時刻まで1階の待合室で時間を潰していた時のことです。
突然、声をかけられました。
「社長、すみません…」
振り返ると、会社のメインバンクの担当者でした。最も顔を合わせたくない人の一人です。
倒産の時には何も連絡せず、弁護士からのFAXだけで一方的に終わらせてしまいました。それが不義理だったことはわかっていました。
一瞬、どう反応すべきか固まってしまいましたが、すぐに深くお辞儀をして謝罪しました。
「この度は、本当に申し訳ございませんでした」
しかし、相手の反応は意外なものでした。
「あ、もうその件は結構です。気にしないでください」
非常に神妙な面持ちでしたが、その後は「法廷は何階にあるんですか?」と事務的な質問をされ、普通の世間話のような雰囲気になりました。
個人的な恨みや感情を持ち込まず、業務として淡々と対応されていました。ありがたかったです。責められると思っていたので。
ほどなく管財人が到着し、銀行担当者は「それでは失礼します」と言って一緒にエレベーターに乗って行きました。弁護士が到着したのでその話をすると、「え〜、そうですか、はぁ〜」と気の無い返事。専門家から見れば想定の範囲内なのでしょう。
法廷に入る前のひとコマ
弁護士と一緒に法廷へ向かうと、前の集会がまだ終わっていないようで、管財人と銀行担当者、書記官らしき男性が入口の前で待っていました。
しばらくして、裁判官らしき女性と債務者・債権者らしき数人が出てきました。間を空けずに我々はすぐ入場。
法廷は前回と同じ部屋でしたが、なぜか少し狭く感じました。前回は緊張で周囲をよく見ていなかったのに、今回は余裕を持って観察できていたからかもしれません。
法人の集会・5分の実録

法廷に入ると、債権者席には先ほどの銀行担当者が一人だけ。前回は6名ほどいたのに、今回はたったの1名です。
2回目以降の集会では債権者はほとんど出席しないと管財人から聞いていました。新しい情報が出てくるわけでもないので、出席してもあまり意味がないということなのでしょう。
裁判官は前回と同じ女性の方でした。服装も前回同様カジュアルで、白いブラウスに薄いカーディガン。威圧的な雰囲気は全くありません。
「それでは、株式会社○○の財産状況報告集会を開始いたします」
管財人の報告は約1分。資産の処分状況、債権確定の進捗、配当見込みを淡々と読み上げておしまいです。前回の5分間の報告と比べても、さらに効率化されていました。
裁判官が債権者に質問の有無を確認すると、
「特にございません」
銀行担当者のこの一言で質疑応答が終了。裁判官が「それでは、これで第2回目の財産状況報告集会を終わります」と言って、法人の集会は終わりました。3分もかかっていなかったと思います。
連続開催で「話が違う〜」
法人の集会が終わった瞬間、「これで区切って一旦休憩だな」と思いました。管財人からは「会社の集会が終わったら一旦仕切って、改めて個人の分を始める」と聞いていましたし、その日のお昼ごはんの段取りもそのスケジュール感で立てていました。
しかし裁判官の次の言葉は、
「それでは引き続き、○○氏個人についての財産状況報告集会を開始いたします」
間髪入れず、個人の集会がスタートしました。
私以外の全員は何の違和感もない様子でした。「話が違う〜」と思っていたのは私だけで、周りにとっては標準的な流れだったのです。
個人の集会の出席者は法人と全く同じメンバー。同じ銀行担当者が法人・個人両方の債権者として参加しているわけです。会社の借入に個人保証を付けていたため、こういう構図になります。
個人の財産については、処分すべきものは僅かな預金と金融資産、それと自宅。自宅は任意売却済みで、メインバンクの了解も得ていたので争点はありませんでした。
管財人報告も1分、質問もゼロ。
話も終わったので次回の日程を決める場面です。管財人は早く終わらせたいので、「できるだけ早めに」というニュアンスを出していましたが、書記官の促しがあって約2ヶ月後ということで落ち着きました。
私は、あまりやる事は残ってないのに、ずいぶん先の話だなと感じました。
結果的に、法人2分・個人3分の計5分で、2つの債権者集会が完了しました。
お昼ごはんの段取りは、完全に必要なくなりました(笑)。
まとめ
2回目を終えて感じたのは、「終わりが見えてきた」という実感でした。
初回は「あっけなく終わって拍子抜け」でしたが、今回は「順調に進んでいる」という前向きな受け止め方ができました。管財人が「できるだけ早めに次回を」というニュアンスを出していたのも、その実感を後押ししてくれました。
銀行担当者との再会も、思っていたよりずっと穏やかなものでした。責められると覚悟していたのに「もうその件は結構です」と言われた時の安堵感と申し訳ない気持ちは、今でも忘れられません。
関連記事
※本記事は筆者個人の体験に基づくものです。債権者集会の進行は案件により異なります。具体的な手続きについては、弁護士などの専門家にご相談ください。


コメント