今回は会社が破産した時、玄関に貼るあの「お知らせの紙」についてのお話です。
あくまでも私が個人的に経験した話ですので、そのへんはご了承ください。
まず私は傾いた自分の会社を破産させる意思を固め、弁護士に相談に行きました。 Xデー(社内外に営業の停止を伝える日&弁護士が裁判所に申し立てを行う日)まで2週間くらいでした。
その後何回かの打ち合わせを経て、いよいよという段階になって私は弁護士に尋ねました。「お知らせの紙はどのタイミングで貼りますか?」すると弁護士が「あれは特に貼らなければいけないという物でもないですよ」と答え、何も掲示する準備をしませんでした。

Xデーを迎え、それから数日 会社は閉じられ電気は消えて何の「お知らせ」もないまま ただ「休業」している状態でした。
さて、弁護士が裁判所に破産の申し立てをし、裁判所が破産の開始決定をすると管財人を選定します。 Xデーから数日後に管財人が決まり、弁護士といっしょに挨拶と引き継ぎに行きました。
そこからメインのプレーヤーは管財人となり、会社の資産と負債について精査していくわけですが、まずは会社を見に行きましょうと2人で出かけていきました。
管財人にひと通り会社を案内し、不動産と動産(商品)の状態をみてもらって、その日は終了 と思いきやおもむろに「お知らせの紙」を取り出し、茶色のガムテープでベタベタと玄関の扉に貼り始めました。
「お知らせの紙」は傾いていて、ガムテープも部分的にシワになっていたり、切り口は手で破いているので斜めになっていたり実に雑な感じでしたが、悲壮感がありちょうど良かったかもしれません。
「お知らせの紙」の内容は ”この会社は裁判所より破産開始の決定がなされました。 問合せは管財人まで” という内容の、法的な情報が入った正式なやつです。
見た人をがっかりさせる紙ですが、「休業」している理由が分かるのでその意味で親切かもしれません。 また、弁護士名で貼るよりも管財人名で掲示したほうが先が長いので、急いで貼る必要は無いのかなと思いました。
以上、会社が破産した時に玄関に貼る「お知らせの紙」について、私が経験したことをお話しました。 何だか決定的な瞬間で、いい気持はしませんでしたね。 あなたの参考になりませんように。
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