【重要な注意事項】必ずお読みください
本記事は筆者の個人的な経営体験談です。 経営判断は企業規模、業界、財務状況、市場環境等により大きく異なります。実際の経営判断では必ず以下の専門家にご相談ください:
- 税理士・公認会計士(税務・財務面の分析)
- 弁護士(法的手続き・リスク評価)
- M&A仲介会社(事業売却の可能性)
- 中小企業診断士(経営全般のアドバイス)
- 事業承継・引継ぎ支援センター(公的支援制度)
筆者について: 地方製造業で約20年経営、最盛期売上19億円(従業員100人)から3億円(従業員30人)まで縮小を経験。15期連続赤字を経て破産申立てを行った元経営者。
会社を存続させるか、廃業・倒産を決断するかは、経営者にとって最も悩ましい選択です。私自身は20年間の経営で適切なタイミングを逃し、最終的に破産という結末を迎えました。
この記事は私の失敗体験から「もっと早く決断していれば」という後悔をもとに書いています。 同じ失敗を繰り返さないでほしいという願いを込めて、会社を手放す5つのタイミングと、特に 第2段階での早期決断の重要性 について解説します。
会社を手放す5つのタイミング【実体験と後悔ベース】

1. 経常利益が十分で、剰余金が豊富な段階
私の体験:最盛期(売上19億円、従業員100人時代)
この段階は資金に余裕があり、M&Aで高値売却が可能な時期です。私の場合、最盛期には年商19億円、従業員100人を抱え、内部留保も資本金の約10倍程度ありました。
この段階の特徴:
- 金融機関との関係は良好
- 従業員のモチベーションも高い
- 取引先からの信頼も厚い
- 通常は手放す必要性は低い
私の当時の判断: 当然ながら事業継続を選択。この時期に後継者問題や業界の将来性を真剣に考えるべきでした。
2. 数年赤字が続くが、バランスシートは健全な段階 ⭐最重要

私の体験:売上減少初期(19億円→10億円程度、従業員70-80人時代)
これが本記事で最も伝えたいポイントです。 私は この段階で決断していれば、従業員・取引先・金融機関への被害を最小限に抑えられたはずです。
当時の状況:
- 売上:19億円から段階的に減少開始
- 赤字:2-3期続いていたが債務超過前
- 資金:内部留保はまだ十分に残存
- 金融機関:まだ協力的な態度
なぜこの段階がベストなのか:
- M&Aでの売却価値がまだある
- 債権者への損失を最小化できる
- 従業員の再就職が比較的容易
- 経営者の個人保証リスクが最小
私がこの段階で決断しなかった理由:
- 「一時的な不況だろう」という楽観視
- 90年続いた老舗への責任感
- 「まだ何とかなる」という根拠のない自信
- 従業員への責任感
今振り返っての後悔: この段階でM&Aや事業譲渡を真剣に検討していれば、多くの人に迷惑をかけずに済んだはずです。
3. 赤字が続き、バランスシートの余裕がなくなる段階
私の体験:債務超過初期(売上6-7億円、従業員50人程度)
銀行が「経営計画書」や「資金繰り表」を求め始める時期。私の場合、倒産約10年前からこの段階に入りました。
この段階の特徴:
- 金融機関の態度が変化
- 正常融資からローリング(借り換え)へ移行
- 月次の資金繰り管理が必須
- M&Aの難易度が上がる
私の判断: まだ「自主再建できる」と信じて事業継続を選択。この時点でも専門家に相談していれば、選択肢はあったはずです。
4. 赤字が慢性化し、債務超過に陥る段階

私の体験:M&A検討期(売上4億円、従業員40人、債務超過状態)
実際に私がM&Aを検討したのはこの段階でした。 地方銀行からの勧めで約1年間M&A活動を行いましたが、すべて不調に終わりました。
M&A活動の結果:
- 検討期間:約1年間
- 初期費用:約50万円
- 候補企業:同業他社、異業種企業など複数社
- 結果:すべて不調
不調の要因:
- 3億円超の負債(年商とほぼ同額)
- 売上激減(最盛期の1/5まで縮小)
- 業界全体の縮小傾向
- 債務超過による買い手のリスク増大
この段階でのM&A体験の詳細(仲介業者との1年間、候補企業との交渉過程、失敗の具体的要因など)はこちらの記事で詳しく解説しています。
教訓: この段階でのM&Aは非常に困難。第2段階で決断していれば成功確率は格段に高かったはずです。
5. 資金繰りが厳しく、先行きが見えない段階
私の体験:破産決断直前(売上3億円、従業員30人)
私が毎月作成していた資金繰り表により、以下の状況が明確となりました:
- 当月:ギリギリ資金確保可能
- 翌月:資金不足発生の可能性
- 半年後:確実な資金ショート
この段階でようやく「無理だ」と認めて破産を決断しました。
なぜ第2段階での決断が重要なのか
私の最大の後悔
20年間の経営で最も後悔しているのは、第2段階で決断しなかったことです。 あの時点で以下の選択肢を真剣に検討していれば:
検討すべきだった選択肢:
- M&Aによる事業売却
- 事業の一部譲渡
- 計画的な事業縮小と廃業
- 民事再生手続きの検討
第2段階と第4段階のM&A成功確率の違い
第2段階(私がやらなかった時期)の条件:
- 債務超過前の健全な財務状況
- まだ残存する事業価値
- 金融機関の協力的な態度
- 従業員のモチベーション維持
第4段階(私が実際に試した時期)の条件:
- 債務超過による買い手リスク
- 大幅に毀損した事業価値
- 金融機関の警戒的な態度
- 従業員の不安増大
結果の違いは明らか でした。第2段階なら成功していた可能性が高いM&Aも、第4段階では非現実的になっていました。
心理的な決断の難しさ

私の実際の心境:
破産を決断する直前まで、私は「まだ何とかなる」と思い続けていました。90年続いた老舗への責任感、従業員への責任、そして「今月はギリギリ乗り切れる」という状況の繰り返しが、冷静な判断を妨げました。
「まだ何とかなる」の危険性: この心理状態こそが、適切なタイミングでの決断を妨げる最大の要因です。だからこそ第2段階での専門家への相談が重要 なのです。
情報源・参考データ
私が実際に参考にした情報源:
- 中小企業庁「中小企業白書」(事業承継の現状)
- 東京商工リサーチ「倒産動向調査」
- 帝国データバンク「企業倒産の実態」
- 実際に相談した税理士事務所でのアドバイス
関連する公的支援制度:
- 事業承継・引継ぎ支援センター(無料相談)
- よろず支援拠点(経営相談)
- 各地の商工会議所(地域密着相談)
まとめ:私の失敗から学んでほしいこと

私が20年間の経営で学んだ最も重要な教訓:
「第2段階での早期決断が、すべての関係者への被害を最小限に抑える唯一の方法」
私の最大の失敗:
- 楽観的な見通しに頼りすぎた
- 専門家への相談を先延ばしにした
- 「まだ何とかなる」という感情が判断を曇らせた
- 結果として多くの人に迷惑をかけてしまった
同じ悩みを持つ経営者の方へ:
あなたの会社は今、どの段階にありますか?もし第2段階や第3段階にいるなら、私の二の舞にならないでください。
まずは信頼できる専門家に相談し、客観的な視点からの判断を仰いでください。 一人で抱え込んだ私の失敗を繰り返さないでほしいのです。
私の体験が「早期決断の重要性」と「専門家相談の必要性」を感じていただくきっかけになれば、20年間の失敗にも意味があったと思えます。
【再度重要なお知らせ】 本記事は個人の経験談であり、専門的なアドバイスではありません。具体的な経営判断は必ず適切な専門家にご相談ください。私のような失敗をしないためにも、早めに専門的なサポートを受けることが何より大切です。
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