会社を廃業あるいは倒産させる 最良のタイミング

今回は、私が会社の存続をあきらめて倒産を決断するタイミング、本当はいつが良かったのか?ということについてお話します。 

あくまでも自分の会社での事を振り返り、経験を基にしたお話をするだけで これが正しいと言うわけではありませんのでご了承ください。

先日、自社の管財人とお話をさせていただいた時に「今日は午後から別の会社なんですけど、この会社は全くお金がなくてですね 大変です」とボヤかれました。 私が「ギリギリまで頑張っちゃったんですね」と言うと、「そうなんですよ、良かったのかどうか分かりませんけどね」とのお答えでした。

私の場合もかなりギリギリまで引き伸ばしたのですが、経営者としては「何とか今をしのげば・・」みたいな気持ちは共通しているのかな?と思いました。

そこで、会社とか色んなものを失ってしまった今 会社を手放すタイミング 5つの段階について考えてみたいと思います。

1. 経常利益が十分に出ていて、資本金の何倍もの剰余金がある段階

このタイミングで会社を手放す判断ができる人は、よほど先見の明があるか 仕事が嫌な人か 後継者問題がある場合とかでしょう。 この時点ならM&Aで会社は高く売れるでしょうから、取引先とかのしがらみを排除できればいい判断と思います。 普通は必要ないですよね。

2. 数年赤字が続いているが、バランスシートは健全な段階

まだまだ、アイデア次第で何とかなると思える状態で 資金的にも余裕があり色んな対策が打てます。 銀行もまだまだ前向きなのでストレスはありません。 ここで会社を手放す判断をするのは、あきらめが早いとか根性がないみたいなイメージになりますかね? しかし、この時点で1年くらいかけてじっくりM&Aをやっていけば、不幸になる人は少なかっただろうと思います。

3. 赤字が長続きして、バランスシートにも余裕が感じられなくなった段階

このあたりになると、銀行も「経営計画書を出せ」だの「資金繰り表をだせ」だのうるさくなってきます。 場合によってはメインの銀行以外は引いていくかもしれません。 しかし、この時点で倒産を決意してたら迷惑をかける人が出てきますが、ケガは少なかったかもです。

4. 赤字が慢性化し、債務超過に陥いる段階

多くの経営者はここから頑張ってしまうんだと思います。 私の場合も会社を維持するために私財を投じて貧乏になりました。 変な借金はしなかったのでそこは助かりましたが、金を持っててもどうせ取られるんだからと思い、目いっぱい頑張りましたね。 負けを認めるのは無能の証明みたいな気持ちになってしまうんですよね。 ここでの倒産は多くの債権者に迷惑をかけると思いますが、時間に余裕を持って準備出来たと思います。

5. 毎月の資金繰りが厳しくなり、先が見通せない段階

中小企業の経営者って、だいたいここまでは頑張ってしまうんじゃないでしょうか? 私もここまできて何年か頑張りました。 この段階って 後から思うともう回復の見込みがゼロに等しいんですよね。 それでも最後の最後まで頑張る人が多いんだろうと思います。 私はちょっとだけ早めにあきらめました。

さて、廃業を決断する5つの段階でしたが、ここまで振り返ってどの段階で私が会社を手放すあるいは倒産させる決意をするのが良かったのか それぞれに難しいところですが、私があえて結論を出すとすれば。

それは2.の段階でしょう。

1年や2年の赤字なら突発的なトラブルで陥ることはあるでしょう。 しかし赤字が3年も5年も続くのであれば、それは構造的に問題があり小さなつまづきから立ち直れない組織だということです 社長を含めて。 なので、早めにケリを付けて被害を最小限にするべきだったのです。 繰り返しますが、結論は2.の数年赤字が続いているが、バランスシートは健全な段階 でした。

ということで、無責任な結論を出しましたが、「そんな段階で廃業できる奴は居ないだろう」と怒られそうです。 そのとおりだと思います。 ですが、私の経験からするとベストのタイミングはそこだったと確信します 当時の私には頭の隅にも浮かびませんでしたが。

以上、私の経験から 傾き始めた会社が廃業や倒産を判断するタイミングについてお話しました。 理想論的?な結論になりましたが、本当はこうだと思います。 私には絶対に出来ませんでした。

あなたの参考になりませんように。

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