銀行から「保証協会付きなら融資できます」と言われたことはありませんか?
私は経営していた会社で、プロパー融資2億円に加えて保証協会付き融資1億円を利用していました。結果的に会社は倒産しましたが、この経験から学んだのは、保証協会は「最後の手段」ではなく「資金調達の選択肢の一つ」だということです。
この記事では、信用保証協会の仕組みとメリット・デメリット、保証料の実態、そして倒産時に何が起きたかをお伝えします。これから保証協会付き融資を検討している経営者の判断材料になれば幸いです。
保証協会付き融資とは何か

信用保証協会の役割
信用保証協会とは、中小企業・小規模事業者が金融機関から事業資金を借りる際に、その債務を保証する公的機関です。全国47都道府県と4市(横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市)に設置されており、信用保証協会法に基づいて運営されています。
中小企業が銀行から融資を受けようとする場合、大企業に比べて信用力が低く、融資を断られたり、不利な条件を提示されたりすることがあります。そこで信用保証協会が「保証人」となることで、銀行は貸しやすくなり、経営者は借りやすくなるのです。
仕組み:3者の関係
保証協会付き融資は、以下の3者で成り立っています。
- 経営者(借り手):金融機関から融資を受ける
- 金融機関(貸し手):保証協会の保証を受けて融資する
- 信用保証協会(保証人):経営者の債務を保証する
経営者は保証協会に「保証料」を支払い、保証協会は金融機関に対して「この会社に貸しても大丈夫」という保証を提供します。
プロパー融資との違い
プロパー融資とは、保証協会を通さず、銀行が独自の判断で行う融資のことです。
- プロパー融資:銀行が100%リスクを負う→審査が厳しい
- 保証協会付き融資:保証協会がリスクを肩代わり→審査が通りやすい
私の会社も、最初はプロパー融資のみでしたが、赤字が続いた段階で保証協会付き融資を併用することになりました。
保証協会付き融資のメリット

メリット①:審査のハードルが下がる
最大のメリットは、プロパー融資に比べて審査が通りやすくなることです。
銀行にとって、保証協会が債務を保証してくれるということは、貸し倒れリスクが大幅に軽減されることを意味します。そのため、赤字企業や創業間もない企業でも、融資を受けられる可能性が高まります。
メリット②:融資枠の拡大
プロパー融資だけでは融資枠に限界がある場合でも、保証協会付き融資を併用することで、さらに資金を調達できます。
私の会社の場合:
- メインバンクのプロパー融資:2億円
- 保証協会付き融資:1億円
- 別途、政策金融公庫:2千万円
- 合計3.2億円の借入がありました
プロパーのみでは2億円が上限だったでしょうから、保証協会があったからこそ1億円を上乗せで調達していたのです。
メリット③:無担保・無保証人で利用可能
保証協会付き融資は、原則として以下の条件で利用できます。
- 保証限度額8,000万円以下は無担保
- 法人代表者以外の連帯保証人は不要(個人事業主の場合、原則保証人不要)
これは、不動産担保や第三者の保証人を用意できない経営者にとって、大きなメリットです。
デメリット:保証料がかかる

保証料の仕組み
保証協会は無償で保証してくれるわけではありません。経営者は「保証料」を支払う必要があります。
保証料率は、企業の財務状況(CRDスコア)に応じて年0.45%〜1.90%の9段階に分かれています。赤字企業や決算書を作成していない企業は、高めの料率が適用される傾向があります。
保証料の支払い方法
保証料は、原則として融資実行時に一括で支払います。ただし、保証期間が2年を超える場合(当座貸越は1年超)は、申込時に申請することで分割支払いも可能です。
私の会社では、半年ごとに借り換えを行っており、その都度約15万円の保証料を支払っていました。融資の内容や期間によっては一括で先払いした分もあったかもしれませんが、正確には覚えていません。2年間で少なくとも60万円以上の保証料を支払った計算になります。
参考までに、保証料の計算例を示します。例えば1億円を保証料率1.15%で5年間借りた場合、一括払いなら約316万円、分割返済方式なら約183万円となります(返済によって保証残高が減るため)。私の会社の保証料率がどの程度だったかは不明ですが、借入額と期間から逆算すると、比較的低い料率だった可能性があります。
ただし、会社全体の借入額が3億円を超えていたため、保証料は資金繰り全体から見れば許容範囲でした。むしろ「金利を上げられる方が痛い」というのが正直な感想です。
借り換えのたびに保証料が発生
保証料は、借り換えを行うたびに新たに発生します。
資金繰りが厳しく、頻繁に借り換えを繰り返す状況では、保証料の負担が積み重なっていきます。とはいえ、融資を受けられなければ事業が継続できないため、支払わざるを得ない費用でした。
誰が保証協会を提案するのか

銀行から提案されるケース
保証協会付き融資は、多くの場合銀行から提案されます。
私の会社でも、追加融資を相談した際に、銀行から「保証協会付きでよろしいですか?」と提案されました。また、銀行の担当者は借り換えのたび、申し訳なさそうに保証料の引き落としについて説明をしてくれました。
費用がかかるのは経営者側なので、銀行としては「お願いする立場」なのです。一方で、資金が必要な経営者にとっては、断る選択肢はありませんでした。
経営者から銀行に相談することも可能
保証協会付き融資は、経営者の側から銀行に提案することもできます。
「プロパー融資は難しいが、保証協会付きならどうか」という形で相談してみる価値はあります。ただし、銀行と保証協会の双方で審査が行われるため、必ずしも融資が実行されるとは限りません。
保証協会に直接相談する窓口もある
各都道府県の信用保証協会には相談窓口があり、制度の説明や融資の流れについて直接相談することができます。金融機関を通さずに、まず保証協会に問い合わせてみるのも一つの方法です。
倒産時にどうなるか

代位弁済とは
もし経営者が返済できなくなった場合、信用保証協会が経営者に代わって金融機関に返済します。これを代位弁済といいます。
ただし、これは債務が消滅するわけではありません。代位弁済後は、経営者が保証協会に対して返済義務を負うことになります。
私の会社の倒産時
私の会社が倒産した際、以下のようなタイムラインで処理が進みました。
- 倒産から10日後:メインバンクから個人宛に催告書が届く
- 倒産から1ヶ月後:保証協会から代位弁済通知のハガキが届く
代位弁済通知には、保証協会が銀行に支払った金額がきっちり記載されており、「あなたが負担する当協会保証付き債務について」と書かれていました。
プロパー融資2億円と保証協会付き融資1億円の請求は、同じく郵送で届きました。つまり、倒産時の処理としては、プロパーも保証協会も変わらないのです。
個人保証の責任がその後どうなったかについては、私自身が自己破産を経験しています。連帯保証人としての債務整理や破産手続きの詳細は、また別の機会に書きたいと思います。
保証料は返ってこない
当然ですが、支払った保証料は返ってきません。
保険とは異なり、保証料は「保証してもらうための手数料」です。代位弁済があったからといって、保証料が返金されることはありません。
保証協会を使うべきか?判断基準

使うべきケース
以下のような状況では、保証協会付き融資を検討する価値があります。
- 創業間もなく、プロパー融資が難しい
- 赤字だが事業継続の見込みがある
- 資金繰りで時間を稼ぐ必要がある
- 不動産担保や第三者の保証人を用意できない
私の場合、赤字が続いていたものの、事業を継続するための資金が必要でした。保証協会付き融資を承諾しなければ、もっと早い段階で資金繰りが行き詰まっていたでしょう。
注意すべき点
保証協会付き融資を利用する際は、以下の点に注意してください。
- 保証料のコストを資金計画に組み込む:借り換えのたびに保証料が発生します
- 倒産時のリスクは変わらない:代位弁済後も保証人に対する返済義務は残ります
- 審査は2段階:保証協会と金融機関の両方で審査が行われます
保証料を払ってでも資金が必要なのか、あるいは別の方法(補助金、ファクタリングなど)を検討すべきなのか、総合的に判断する必要があります。
経営者が知っておくべきこと
信用保証協会付き融資は、中小企業にとって重要な資金調達の選択肢です。
保証料というコストはかかりますが、それによって融資を受けられる可能性が広がるなら、十分に価値があります。私の会社も、保証協会のおかげで事業を続けられた期間がありました。
銀行は敵ではありません。 赤字が続く会社に追加融資をするのは大きなリスクですが、保証協会という仕組みを使って「貸せる方法」を考えてくれたのです。借り換えのたびに担当者が申し訳なさそうに保証料の説明をしてくれたのも、銀行なりの配慮だったと思います。
保証料だけを見て判断するのではなく、金利、返済期間、資金繰り全体のバランスを考えることが重要です。保証協会は「最後の手段」ではなく「選択肢の一つ」として、経営者が理解しておくべき仕組みです。
もし融資で悩んでいるなら、銀行や保証協会の窓口に相談してみてください。そして、資金繰りが厳しくなったら、早めに弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
資金繰りの選択肢を知っておくことの大切さ
経営の現場で資金繰りに悩んだ経験から、改めて思うのは「もっと早く選択肢を知っておけば」ということです。
私は当時、ファクタリングという仕組みをよく知らず、結果的にクレジットカードのキャッシングに頼ってしまいました。
もしその時に今の知識があれば、違う選択をしていたかもしれません。
もちろん、ファクタリングが万能の解決策ではありませんし、手数料も決して安くありません。しかし「選択肢として知っておく」ことは重要だと思います。
同じように資金繰りで悩む経営者の方に向けて、私が後から調べた情報をまとめた記事があります:
🚫 審査に落ちた方向けの記事
👉 ファクタリング審査に落ちる理由とは?他社で断られた方も相談できる5社を紹介
審査に落ちる理由と、「他社で断られた方も相談可能」と明記している5社の情報をまとめています。
👤 個人事業主・フリーランス向けの記事
👉 個人事業主・フリーランスにおすすめのファクタリング5社比較
少額案件に対応している5社の比較情報。1万円から使える会社も紹介しています。
📊 法人・中小企業向けファクタリング比較記事
👉 元経営者が選ぶファクタリング7社比較|資金繰りで悩んだ私が調べた情報まとめ
元経営者が後から調べた7社の比較情報。手数料、審査期間、リスクなどを整理しています。
⚠️ これらの記事も専門家の監修は受けていません。利用を検討される場合は、必ず税理士・会計士等の専門家にご相談ください。


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