【実務解説】経営計画書作成の実践ガイド|倒産経験者の教訓

経営会議の様子 倒産前の経営・資金繰り
Businessman explaining the strategy to his team

【免責事項】

本記事は、筆者個人の経営経験に基づく体験談であり、すべての企業に当てはまるものではありません。経営判断や資金調達に関する具体的な判断は、必ず税理士、中小企業診断士、金融機関などの専門家にご相談ください。本記事の内容を参考にした結果生じた損害について、筆者は一切の責任を負いかねます。


はじめに – なぜ私が経営計画書について語るのか

私は製造業で最盛期には従業員約100人、売上約19億円を誇る会社を経営していましたが、約20年間で売上が約3億円まで縮小し、半年前に破産申立てを行いました。

経営が困難になっていく中、何度か経営計画書を作成しましたが、実際には計画書通りに進まず成果が出ない日々が続いていました。

苦心惨憺して計画書を完成させると「これで会社はうまくいく」と勘違いしてしまい、計画を完遂する努力を怠っていたのです。この記事ではそんな私の失敗談と、あとから振り返って気づいたことを書き記しています。

経営計画書の作成に苦慮されている経営者の方の参考になればと思います。

※本記事は個人の経験談です。経営判断は必ず専門家にご相談ください。


経営計画書の3つの重要な役割

チームミーティングで経営計画書を囲んで話し合うビジネスチーム

金融機関が経営計画書を求める理由は、表向きは「経営改善のサポート」ですが、実際には「融資したお金が回収できるかどうかの判断材料」という側面があると私は感じました。つまり、この会社には改善の見込みがあるのか、経営者はどのような対策を考えているのか、これらを可視化して判断したいということだと思います。

経営計画書には、私が当時軽視していた重要な役割が3つありました。

1. 社内の方向性統一

目標を明確化し、社員の認識のズレを防ぐ。

2. 会社のビジョン共有

社員が自分の仕事と会社の将来像を結び付けて理解する。

3. 金融機関からの信頼獲得

経営状況を透明化し、融資審査時の信頼を得る。

この全てを軽視したことが、すべてを失う結果につながったのです。


【実体験】私が犯した致命的な3つの失敗

下降グラフを指差す手とショックを受けるビジネスマンのシルエット

倒産に至るまで、私が犯した3つの致命的な失敗をお話しします。

失敗1 – 根拠のない楽観的な数値で信頼を失墜

売上が前年比10%ずつ下がり続けていたにも関わらず、私は「毎年10%成長」という非現実的な数値を計画書に記載しました。一時的に数千万円の融資は引き出せましたが、結果は計画とは真逆でした。翌年の融資相談時、担当者から「この計画書は全く当てになりませんね」と言われ、信頼を完全に失いました。

失敗2 – 計画の進捗管理を完全に放置

素晴らしい計画書で融資を獲得した後、私はその存在を忘れてしまいました。日々の経営に追われ、四半期ごとの振り返りや軌道修正を一切行わなかったのです。気がついた時には、計画と実績の乖離が取り返しのつかないレベルまで拡大していました。

失敗3 – 将来ビジョンの欠如が招いた破綻

毎年の売上規模が縮小していく中、私は目の前の問題対応に追われ、中長期的な事業ビジョンを持てませんでした。その結果、場当たり的な経営判断を重ね、会社の価値を継続的に毀損し続けました。金融機関は「この会社の経営陣は信頼できない」と判断し、追加融資を完全に拒否。資金繰りが行き詰まり、倒産に至りました。

※これらは筆者個人の経験であり、同様の状況でも結果は異なる可能性があります。


倒産から学んだ、金融機関が評価する経営計画書の本質

空のオフィス、机の上の鍵とCLOSEDの看板

倒産を経験した私だからこそ分かる、金融機関が評価する計画書の本質をお伝えします。

金融機関は、表面的な「美しい計画書」を求めているわけではありません。彼らが見ているのは、その計画がどれだけ現実的で、経営陣がそれを実現するためにどれだけ努力しているかです。

原則1 – 過去の実績データに基づく「現実的な」計画

希望的観測ではなく、過去の実績トレンドを基に、やや控えめな目標設定をすることが重要です。私が倒産から学んだのは、「少し届かなかった」程度の結果になるような、現実的な計画こそが信頼を生むということでした。

原則2 – 短期的な赤字を許容する「戦略的な」計画

私は「赤字の計画書は悪いもの」と思い込んでいましたが、実際には、虚偽の黒字計画よりも、短期的な赤字を正直に認め、2~3年後の回復シナリオを示す方が信頼されると感じました。重要なのは「今を踏ん張れば将来は明るい」という説得力のあるストーリーです。

原則3 – 計画達成による「信頼の蓄積」

現実的な計画を立て、それを確実に達成(または上振れ)させることで、金融機関からの信頼は蓄積されます。月次で実績をチェックし、積極的に状況を報告する。この継続的な努力が、追加融資を実現する鍵だと痛感しました。

※金融機関の評価基準は各機関により異なります。具体的な融資判断については直接金融機関にご相談ください。


専門家活用の重要性 – 私の最大の後悔

 コンサルタントがクライアントにアドバイスしている相談風景

私の最大の後悔は、適切な専門家を早期に活用しなかったことです。経営計画書の作成を独学で行い、金融機関の求める水準を理解していませんでした。

コンサルタントを入れなかった代償

  • 金融機関の求める水準を理解していなかった
  • 第三者の視点での客観的なレビューを受けられなかった
  • 業界の客観的なデータとの比較ができなかった

活用すべき専門家・公的支援制度

中小企業診断士

経営全般の専門知識で計画策定をサポート。中小企業庁の認定資格者であり、経営改善計画の作成支援を専門としています。

税理士

財務面の専門知識で正確な分析と予測をサポート。税務の観点から実現可能性を検証してもらえます。

商工会議所・商工会

経営改善計画書の作成支援や専門家派遣制度(多くの場合、無料または低額)を利用できます。各地域の商工会議所に問い合わせてください。

認定支援機関

国が認定した経営革新等支援機関は、経営改善計画の策定支援を行っています。中小企業庁のウェブサイトで検索可能です。

私から言えるのは、一人で悩むのではなく、まだ資金に余裕があるうちに専門家に相談するべきだということです。

※専門家の活用にはコストがかかります。費用対効果を検討した上で判断してください。


まとめ – 同じ過ちを繰り返さないために

私は製造業で最盛期には年商19億円の会社を経営していましたが、その経験から経営計画書は「希望」ではなく「実現可能性をベースにした戦略」であると学びました。

計画書を作るのは誰でもできます。しかし、それを達成する努力と定期的な見直しがなければ、ただの紙切れに過ぎません。

今、資金繰りに困っている経営者の方がいらっしゃるなら、私と同じ過ちを犯さないよう、現実的で誠実な経営計画書の作成に真剣に取り組んでください。そして、一人で悩まず、専門家の支援を積極的に活用してください。

【重要】本記事は個人の経験談であり、専門的なアドバイスではありません。経営判断や資金調達に関しては、必ず税理士、中小企業診断士、金融機関などの専門家にご相談ください。

この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。


参考情報

  • 中小企業庁: 経営改善計画策定支援事業
  • 各地域の商工会議所: 経営相談窓口
  • 認定支援機関検索: 中小企業庁ウェブサイト
  • 日本政策金融公庫: 経営相談窓口

※具体的な支援内容や条件は、各機関に直接お問い合わせください。


資金繰りの選択肢を知っておくことの大切さ

経営の現場で資金繰りに悩んだ経験から、改めて思うのは「もっと早く選択肢を知っておけば」ということです。

私は当時、ファクタリングという仕組みをよく知らず、結果的にクレジットカードのキャッシングに頼ってしまいました。

もしその時に今の知識があれば、違う選択をしていたかもしれません。

もちろん、ファクタリングが万能の解決策ではありませんし、手数料も決して安くありません。しかし「選択肢として知っておく」ことは重要だと思います。

同じように資金繰りで悩む経営者の方に向けて、私が後から調べた情報をまとめた記事があります:

🚫 審査に落ちた方向けの記事
👉 ファクタリング審査に落ちる理由とは?他社で断られた方も相談できる5社を紹介
審査に落ちる理由と、「他社で断られた方も相談可能」と明記している5社の情報をまとめています。

👤 個人事業主・フリーランス向けの記事
👉 個人事業主・フリーランスにおすすめのファクタリング5社比較
少額案件に対応している5社の比較情報。1万円から使える会社も紹介しています。

📊 法人・中小企業向けファクタリング比較記事
👉 元経営者が選ぶファクタリング7社比較|資金繰りで悩んだ私が調べた情報まとめ
元経営者が後から調べた7社の比較情報。手数料、審査期間、リスクなどを整理しています。

⚠️ これらの記事も専門家の監修は受けていません。利用を検討される場合は、必ず税理士・会計士等の専門家にご相談ください。

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