給料日は、普通なら待ち遠しくて嬉しい日のはずです。しかし、22年間会社を経営してきた私にとって、給料日は「支払う側」、頭を悩ませる日でした。倒産を経験し、現在は「もらう側」になった今、かつての自分と今の自分を比較して思うことを綴ります。
給料日が「恐怖」だった社長時代
社長だった頃、給料日は近づくほど気が重くなりました。
私は「支払う側」であり、しかも経理も労務も全部自分でやっていました。
カレンダーを見て「もうすぐだな」と思ったり、口座を確認して少し安心したり。
給与計算、社会保険、振込額の確認。
間違いがあってはいけない作業を、資金繰りと睨み合いながら進める。
一つでも狂えば、全部が崩れる。
- 「今月、ちゃんと払えるか」
- 「数字は合っているか」
- 「残高は足りるか」
頭の中は、常にこの不安で支配されていました。
お金を払うのが嫌だったわけじゃない
給料日が嬉しくなかったのは、お金を払うのが嫌だったからではありません。
そこは、よく誤解されるところかもしれません。
会社がきちんと儲かっていれば、あの作業はきっと楽しかったはずです。
利益が出ていれば、昇給だって出来たでしょう。
給料明細を渡したときの、従業員の笑顔が嬉しかったはずです。
でも、現実はそうじゃありませんでした。
昇給なんて簡単に口にできなかったし、「今月も何とか払えた」という気持ちが先に立つ給料日でした。
その状況を作ったのは、間違いなく自分です。
それが、ただ悲しかった。
当時の私が感じていたのは、達成感でも誇らしさでもなく、「出来なかったこと」への悔しさだったと思います。
3万円の給料に感じた「本来の喜び」
今は、立場がまったく違います。「もらう側」になりました。
先日も試験監督の日雇いバイトをしました。静かな教室で一日中立ちっぱなし、時計ばかりを見ていました。月に2、3日の勤務で、手取りは3万円ほど。
給料日が来ると、その金額を見て、素直に嬉しい。
計算する必要もないし、誰かの生活を背負っているわけでもありません。
振り込まれた金額を見て、「ありがたいな」と思うだけです。
給料日って、本来こういう気持ちだったな、と思い出します。
今、給料日が苦しい社長さんへ
私はもう、あの社長時代に戻れません。
そして、あの頃の自分の気持ちを否定することも出来ません。
給料日がつらい社長がいるとしたら、それは怠けているからでも、冷たいからでもありません。
本当は、ちゃんとやりたいだけなんだと思います。


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