熱血コンサルタントK氏の再建計画:出会いと別れ

コンサルタント 経営危機 経営・資金繰り

今回はメイン銀行から派遣されてきたコンサルタントK氏についてのお話です。銀行から来た彼と経営再建の計画を立てるということで、赤字続きの私の会社は希望に満ちた未来を得るはずでした。

しかし、半年にわたる緻密な経営再建計画は、ある致命的なミスで崩れ去りました。なぜ彼がやってきたのか、どんな計画を立て、なぜ絶望的な結末に至ったのか。私の実体験とそこから得た教訓をお伝えします。

1.会社がピンチ!銀行からの提案

当時、私の会社赤字続きで私もすでに経営に行き詰まりを感じていました。 毎年10%ずつ下がっていく売上に対して、前向きに拡大戦略をとるも全てが裏目に出て、経営は全く改善しませんでした。

銀行との取引はまだ健全ではありましたが、かなり注目され色々と書類を提出する日々が続いていました。

そんな中、ある日銀行の担当者から「弊行の本部にコンサルタント事業をやっている部署があり、一度会ってみないか」という話がありました。

経営に悩んでいた私は、藁にもすがる気持ちで快諾しました。 

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2.K氏登場。厳しいけど頼れる人

やってきたコンサルタントK氏は私よりも一回りほど若く、身体もがっしりしてとてもエネルギッシュに感じました。 私には「この人の言うことを聞いていなければ銀行から切られる」という恐怖感があり、必死でついていきました。

K氏はとても厳しい方で、メールでの甘いコメントをきつく叱責したり、かなり無理なスケジュールで資料を要求してきたりしました。

「会社がピンチなのに、なんで寝てるんですか?」レベルの人で、寝ないで働く彼に引きずられ、その頃の私は平均の睡眠時間が5時間を切っていたと思います。

3.希望の計画書、順調に進む…はず

K氏は以前にも別の会社を立て直した実績があり、その手法を用いてどんどん計画を立てていきました。 まず、膨大な会社の資料(私が提出した)をもとに、私の会社の状態を細かく分析していきました。

そして、経営が改善できそうな切り口を見つけ、それをどんどん計画書に盛り込んでいきました。

また、会社の営業会議にも参加して会社の危機を従業員たちと共有し、気持ちをまとめてくれるのにも協力してくれました。

そうして半年後、順調だった部門を大幅に伸ばす売上アップの計画や、私の交際費のカットなど経費の削減計画を盛り込んだ 5年間の中期経営計画書が完成間近。

従業員たちの士気も上がり、これから会社は蘇る・・・はずでした。

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4.取引条件の見逃しで全て崩壊

概ね完成した中期経営計画書は、最終の微調整と本部の稟議を残すのみになっていました。 そこで私が最大のミスをしてしまったのです。

ミスというのは、大口の仕入先に対する取引条件のことで、これまでは何も問題はありませんでした。 以前にK氏から確認を求められたときにも「問題ありません」と生返事をしていたのですが、最終の確認をしたら、条件が大きく変わり担保が必要になっていたのです。

私はそれが判明した時点ですぐにK氏に連絡しました。 しかしこれは今回の経営計画の柱とも言える部分で、前もって分かっていれば問題なく対応できましたが、最後の最後で発覚したというのは致命的でした。

これは直接聞いた訳ではありませんが、条件が変更されていた事よりも、そんな大切な部分を確認していなかった私の姿勢を問題にされたのだと思います。

その他に計画書には希望的な売上数値があったことも指摘されたようで、計画は実行不可能として本部の稟議は通りませんでした。

あの時のK氏の憤ったというか意気消沈したというか、あの顔が忘れられません。

その後、銀行からは新規融資の打ち切り、M&Aの推進ということになっていくのですが、それの話は別の機会とします。

5.失敗から学んだこと

今回、せっかく作った中期経営計画は私の大失敗で取り消されたわけですが、今振り返ってみると それ以前にも取り組み姿勢には甘さが溢れていました。

  • 勉強不足:そもそも経営計画書を作るということに対する理解がなく、不慣れだったことは確かなのですがもう少し勉強しておくべきだったと思います。
  • 確認の甘さ:最後の引き金は取引条件の確認ミスだったのですが、それ以外にも生返事をして後から修正したことが何度かあり、嫌な顔をされていました。 何事も念入りに確認するという緻密さが不足していたと思います。
  • 受動的な姿勢:当時のK氏は確かに圧倒的だったのですが、この計画業務を自分の事として進められていたか疑問です。 もっと積極的にK氏に食らいついていく姿勢があれば、銀行にも認められたかも知れません。

まとめ

この失敗は、会社存続の危機に直面した私の最大の教訓でした。「危機意識を持つ」「準備を徹底する」と言われても、それを「どこまで真剣に実行するか」が命運を分けます。 

思い出したくもない経験ですが、誰かの糧になればと思いこのブログを書いています。あなたも似た失敗から学んだことがあれば、ぜひコメントで教えてください!

少しだけ、自分を労わる時間に。
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