コンサルの一言「何で出すんですか」
経営コンサルタントが入っていたあの時期、私は例年のごとく夏の賞与を出しました。後日、コンサルとの定例報告会があり、会議室でいつものように報告の一つとして賞与の件を伝えました。
返ってきたのは、こんな一言でした。
「何で出すんですか」
声を荒らげていたわけではありませんでしたが、呆れたというか、「あなた、いったい何やってるんですか?」みたいな口調でした。動揺した私の口から出た言葉は「ダメだったですか?」。と、何とも間の抜けた返事でした。
「賞与は生活費だ」という先代の教え

私が賞与を出し続けていた理由は、単純でした。社長を引き継ぐ前、役員として給与や賞与の査定などに関わっていたころ、先代からこう教えられていたからです。
「夏と冬の賞与は、給料と同じ、生活のためのお金だ」
夏冬に支払っていた賞与は社員の生活を支える、給与と同じ性質のお金だという考え方でした。だから会社が厳しくなっても、そこは削ってはいけないものだと思い込んでいました。
3回の賞与が2回になった日
そして、私の会社では夏冬の賞与と、決算時に出す期末賞与がありました。年に3回の支給です。期末賞与については「利益が余ったら出す」という考え方で運用していました。赤字なら出さないのは、私にとっては当然のことでした。
けれど社員にとっては、そうではなかったようです。会社の業績がどうであろうが、期末賞与はもらえる。業績が悪いのは社長のせい、自分たちにはもらう権利がある。そんな考えだったのかもしれません。
社長になり、会社が傾いて赤字決算が続き、とうとう期末賞与を出せない状態になりました。役員会で今年度の期末賞与は無いと報告した数日後、支店の現場に顔を出したら、社員から直接聞かれました。
「期末賞与出ないって本当ですか?!」
ものすごい動揺でした。それまで、社員にとってうちの会社は「完全な勝ち組」だったのだと思います。給料は周りの会社よりも高い、賞与が3回も出る。しかも下がることなどない。いい会社と信じて疑わなかったはずです。期末賞与のカットは、その認識が音を立てて崩れた瞬間でした。
社内の空気は、どんよりと沈みました。「よし、賞与を取り返そう」というような前向きな雰囲気が生まれることもありませんでした。今思えば、そういう空気を作るのも、経営者である私の仕事だったのかもしれません。
「削る」という選択肢

それでも、夏冬の賞与だけは死守し続けました。先代の教えを、最後の一線として守っていたのだと思います。
だからこそ、コンサルの「何で出すんですか」は、私にとって想定外の一言でした。反発や落胆というより、「これを削るという選択肢があるんだ」という、ある種の発見に近い感覚でした。
その後、私は実際に賞与を出さなくなりました。次の冬からだったか、次の夏からだったか、正確な時期はもう記憶が曖昧です。ただ、あの一言がきっかけだったことだけは、はっきりと覚えています。
会議では私が赤字の報告を続け、社員にとってはいつ潰れてもおかしくない会社へ変貌していきました。会社の雰囲気はさらに悪くなり、やる気も失われていったのだと思います。
最終的に会社は倒産し、私は自己破産。今は年金生活を送っています。
どうすればよかったのか
ではあの時、私はどうすればよかったのか。今振り返って、答えははっきりしています。
「このままだと本当にまずい」という危機感を、もっと早く自分の中に持つべきでした。そして「一流の会社、一流の経営者だったらどう判断するだろう」と、外の基準を自分から取りに行くべきでした。
赤字なんだから賞与なんて無し。その他、効率の悪いところはどんどん切り落とす。まずは出血を止めることから始めるべきなんです。
先代からの流れを唯一の判断基準にしたまま、それをアップデートする機会を、私は一度も自分で作ろうとしませんでした。コンサルの一言は、私が初めて外の基準に触れた瞬間だったのだと思います。
今の自分に照らし合わせてみると

私はこのブログを書く他に、アルバイトもやっています。生活のために仕方ないのですが、何かその場の雰囲気にただ流されて時間を無為に過ごしている気がしてなりません。私はこのブログを書くことで、いくらかの収益を得たいと考えているのですが、実際はそれに直結した行動を取れているかというと、甚だ疑問です。
「今の自分は、危機感を持てているか」「外の基準と比較できているか」。正直に言うと、あの当時とあまり変わっていない気がします。アクセス数や順位は、見てはいますが上っ面だけです。マネタイズはまったく進んでいませんが、「今バタついても仕方ない」と、都合よく先送りにしています。同じようなテーマを扱う他のブログは、ほとんど見ていません。コメント欄に届くのはスパムばかりで、読者からのまともな反応は、正直なところありません。
危機感の欠如。外の基準を知ろうとしないこと。あの頃と同じ構造を、私はまた繰り返しているのかもしれません。ただ、あの頃と絶対的に違うのが、電話が鳴りません。本来やらなくてはならない仕事に対して阻害されることがないのです。私は当時、その阻害してくる状況を逃げ場にしていたことをありありと思い出します。
私が今やるべき事は分かっています。邪魔も入りません。時間もあります。なのに、「やれるだけの事はやった」と思えるほどは、とても動けていません。
焦るばかりです。あの頃に似ています。
資金繰りの選択肢を知っておくことの大切さ
経営の現場で資金繰りに悩んだ経験から、改めて思うのは「もっと早く選択肢を知っておけば」ということです。
私は当時、ファクタリングという仕組みをよく知らず、結果的にクレジットカードのキャッシングに頼ってしまいました。
もしその時に今の知識があれば、違う選択をしていたかもしれません。
もちろん、ファクタリングが万能の解決策ではありませんし、手数料も決して安くありません。しかし「選択肢として知っておく」ことは重要だと思います。
同じように資金繰りで悩む経営者の方に向けて、私が後から調べた情報をまとめた記事があります:
🚫 審査に落ちた方向けの記事
👉 ファクタリング審査に落ちる理由とは?他社で断られた方も相談できる5社を紹介
審査に落ちる理由と、「他社で断られた方も相談可能」と明記している5社の情報をまとめています。
👤 個人事業主・フリーランス向けの記事
👉 個人事業主・フリーランスにおすすめのファクタリング5社比較
少額案件に対応している5社の比較情報。1万円から使える会社も紹介しています。
📊 法人・中小企業向けファクタリング比較記事
👉 元経営者が選ぶファクタリング7社比較|資金繰りで悩んだ私が調べた情報まとめ
元経営者が後から調べた7社の比較情報。手数料、審査期間、リスクなどを整理しています。
⚠️ これらの記事も専門家の監修は受けていません。利用を検討される場合は、必ず税理士・会計士等の専門家にご相談ください。

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