200万円の補助金を逃した体験談|申請の現実と急場資金対策

補助金申請がお手上げな様子 経営・資金繰り

はじめに

「補助金がもらえるらしいけど、手続きが面倒そう…」 「種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」 「申請したけど落ちた」

補助金について、こんな悩みを抱えている経営者の方は多いのではないでしょうか。

実際、私もコロナ補助金で200万円を取り逃した経験があります。その後、補助金制度について詳しく調べた結果、「なぜ多くの経営者が補助金を敬遠するのか」がよくわかりました。

今回は、補助金の現実的な話を、忖度なしでお伝えします。

定番補助金の現状(2025年時点)

長年続いている「定番」補助金

現在も継続している代表的な補助金制度をご紹介します。ただし、これらも永続的に続く保証はありません

ものづくり補助金

  • 設備投資や技術開発に使える
  • 最大1,250万円(規模により変動)
  • 製造業だけでなくサービス業も対象

小規模事業者持続化補助金

  • 販路開拓や生産性向上が対象
  • 最大50~200万円
  • 小規模事業者の定番補助金

IT導入補助金

  • ITツール導入費用を支援
  • 最大450万円
  • 会計ソフト、在庫管理システムなど

事業再構築補助金

  • 新事業展開や業態転換
  • 最大1億円(規模により変動)
  • コロナ後に新設された制度

今注目の補助金(2024-2025年)

時代のニーズに合わせて、新しい補助金も次々と登場しています。

省エネ・脱炭素関連

  • 省エネ設備導入補助金
  • 脱炭素設備導入支援
  • 環境配慮型の設備投資

DX(デジタル化)関連

  • デジタル化基盤導入補助金
  • インボイス制度対応システム導入
  • クラウドシステム移行支援

人材・賃上げ関連

  • 人材開発支援助成金
  • 賃上げ促進税制との連動補助金
  • 働き方改革関連設備導入

地域活性化系

  • 地方創生関連補助金
  • 観光復活関連支援
  • 商店街活性化補助金

※これらの情報は2025年9月時点のものです。最新情報は各制度の公式サイトでご確認ください。

補助金制度の不安定な現実

「定番」でも突然終わることがある

多くの経営者が誤解しているのが「定番補助金は永続的」という思い込みです。

実際は:

  • 年度予算で決まるため、突然終了もありえる
  • 政権交代や政策転換で制度変更
  • 申請要件が年々厳しくなる傾向
  • 予算消化で年度途中に受付終了

例えば、コロナ関連の給付金も「まだ続くだろう」と思っていたら、急に終了しました。「今年あるから来年もある」とは限らないのが補助金制度の現実です。

採択率の現実

補助金には必ず「採択率」があります。申請しても必ずもらえるわけではありません。

主要補助金の採択率(参考):

  • ものづくり補助金:約50-60%
  • 持続化補助金:約50-70%
  • 事業再構築補助金:約30-50%

つまり、どんなに準備しても半数程度は落ちるのが現実です。

申請手続きの面倒くささ

補助金を申請するために準備すべき資料のイメージ

必要書類の多さが異常

補助金申請で最初に驚くのが、必要書類の多さです。

典型的な必要書類:

  • 事業計画書(20-30ページ)
  • 決算書(直近3期分)
  • 登記事項証明書
  • 税務署の納税証明書
  • 見積書(複数社から取得)
  • 技術的根拠を示す資料
  • 市場調査資料
  • 収支計画書
  • 従業員数証明書
  • その他、制度特有の書類

書類を集めるだけで1-2週間はかかります。

「事業計画書」という名の難題

最も面倒なのが「事業計画書」です。

求められる内容:

  • 現状分析と課題抽出
  • 市場環境の分析
  • 競合他社との差別化戦略
  • 具体的な実施計画
  • 売上・利益の数値計画
  • リスク分析と対策
  • 社会的意義や波及効果

「普通にビジネスやってるだけなのに、なぜこんなに書かなきゃいけないの?」というのが正直な感想です。

専門用語のオンパレード

申請書類は専門用語だらけです。

  • 「付加価値額」
  • 「生産性向上指標」
  • 「技術的優位性」
  • 「新規性・独自性」
  • 「実現可能性」

普通の経営者には、何を書けばいいのかさっぱりわかりません。

採択後も地獄は続く

報告書作成の負担

補助金をもらった後も大変です。

定期的な報告義務:

  • 中間報告書
  • 実績報告書
  • 効果測定報告書
  • 会計監査対応

事業が忙しい時期でも、報告書作成は待ったなしです。

領収書・証拠書類の管理

補助金で購入したものは、すべて証拠保全が必要です。

  • 領収書は原本保管
  • 設備の写真撮影
  • 作業日報の記録
  • 外部委託の場合は詳細な作業報告書

「普通に設備買うだけなのに、なぜこんなに面倒なの?」と思う瞬間です。

それでも補助金を狙う価値はある

補助金申請を専門家に依頼している様子

士業に頼むという現実的選択

ここまで読んで「面倒すぎる」と思った方、正常です。だからこそ、多くの経営者が士業に依頼するのです。

補助金申請を扱う士業:

  • 中小企業診断士(事業計画作成が得意)
  • 行政書士(書類作成・申請手続き)
  • 税理士(財務面のアドバイス)
  • 社会保険労務士(人材関連補助金)

依頼費用の目安(参考):

  • 着手金:10-30万円
  • 成功報酬:採択額の10-20%

200万円の補助金なら、20-40万円の手数料を払っても160-180万円は手元に残る計算です。

時間コストを考えれば外注が賢明

自分で申請準備をすると:

  • 書類収集:1-2週間
  • 事業計画書作成:2-4週間
  • 申請手続き:1週間
  • 採択後の対応:数ヶ月

経営者の時間を時給換算すれば、士業への依頼料の方が安い場合が多いでしょう。

急場の資金対策も知っておく

資金の緊急事態を表現

補助金を検討するということは、資金が潤沢ではない状況かもしれませんね。

補助金は「入金まで半年〜1年」が普通ですから、今すぐ資金が必要な場合は間に合いません。そんな時のために、急場の資金調達手段も知っておくと安心です。

基本は銀行からの借入れ まずは金利の安い銀行融資を検討するのが王道です。ただし、審査に時間がかかる場合もあります。

緊急時の資金調達例:

  • ファクタリング(売掛金の現金化)
  • ビジネスローン
  • 設備リースの活用
  • 取引先への前受金相談

銀行借入れに比べるとコストは高くなりますが、緊急時の選択肢として知っておいても損はないでしょう。

ファクタリングについて: ファクタリングには、売掛先に通知せずに利用できる「2社間ファクタリング」という方法があります。手数料は高くなる傾向にありますが、売掛先との関係を維持したい場合に有効な手段です。ただし、手数料は相当高いようなので、あくまで緊急の手段として考えておく程度でしょうか。

ファクタリングの利用を検討する際は、複数のサービスを比較し、手数料や契約条件を確認することが重要です。選び方のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。 → ファクタリングサービスの選び方と注意点

まとめ

補助金の現実:

メリット

  • まとまった資金調達が可能
  • 返済不要(原則として)
  • 設備投資の後押しになる

デメリット

  • 申請手続きが非常に面倒
  • 採択される保証はない
  • 入金まで時間がかかる
  • 採択後の報告義務も重い

私の結論:

  • 時間と手間を考慮すると、士業への依頼が現実的
  • 補助金だけに頼らず、他の資金調達手段も準備しておく
  • 制度の変更や終了リスクも念頭に置く

「補助金は甘くない」というのが、200万円を逃した経験者としての率直な感想です。それでも、うまく活用できれば事業拡大の大きな武器になることは間違いありません。

情報収集と専門家の活用が、補助金攻略の鍵になるでしょう。


この記事は筆者の経験と一般的な情報をもとに作成しています。具体的な申請については、必ず最新の公式情報を確認し、専門家にご相談ください。


資金繰りの選択肢を知っておくことの大切さ

債権者集会を経験して改めて思うのは、「もっと早く手を打てなかったのか」ということです。

私は当時、資金繰りに困った際にファクタリングという仕組みをよく知らず、結果的にクレジットカードのキャッシングに頼ってしまいました。

もしその時に今の知識があれば、違う選択をしていたかもしれません。

もちろん、ファクタリングが万能の解決策ではありませんし、手数料も決して安くありません。しかし「選択肢として知っておく」ことは重要だと思います。

同じように資金繰りで悩む経営者の方に向けて、私が後から調べた情報をまとめた記事があります:

👉 元経営者が選ぶファクタリング7社比較|資金繰りで悩んだ私が調べた情報まとめ

👉 個人事業主・フリーランスにおすすめのファクタリング5社比較

⚠️ この記事も専門家の監修は受けていません。利用を検討される場合は、必ず税理士・会計士等の専門家にご相談ください。

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