その支所は、地域的に人が集まりにくい立地でした。支所の規模を考えると、男性の所長を専任で置くのは採算的に疑問がある。そこで「当面は様子見」ということで、私が所長を兼務することになりました。
Aさんの話:他者を攻撃し組織を荒らすタイプ
その支所は開所後のゴタゴタが多く、とても忙しい日々が続いていました。それがぼちぼち落ち着いた頃、女性2人とお疲れさま会をしました。仮にAさん、Bさんとしておきます。その席で、同じエリアにいる、私もよく知る他社の女性について、二人が変なあだ名をつけて悪口を言い始めました。
窘めても「だって酷いんですよ」と正当化して止まりません。面倒になって話題を変えましたが、後になって分かってきたのは、Aさんが「気に入らないと判断すると、徹底的に嫌う」性格だということでした。
Aさん自身は、頭が良い方ではありませんでしたが、一生懸命かつ上手に仕事をこなす人でした。ただ一人では業務が回らないため、誰かと組ませる必要がある。ところが、誰と組ませても上手くいきませんでした。組んだ相手が次々と嫌になって辞めていく。対応に困った私は、最終的にAさんの方に辞めてもらうよう仕向けました。
Bさんの話:「辞める辞める詐欺」を繰り返すタイプ
お疲れさま会で一緒に悪口を言っていたもう一人が、Bさんです。ただ、Aさんとの日頃の関係だけを見ると、Bさんが上手に合わせているからか、むしろ穏やかに見えていました。
ですが実際は、Bさんも私に対してAさんの悪口を言っていました。表面上の「穏やかな関係」は見せかけで、裏では不満を抱えていたのです。
Bさんの本当に困った特徴は、会うたびに「今月いっぱいで辞めます」「来月半ばで辞めます」と、辞める辞める発言を繰り返すことでした。しばらく宥めながら在籍を続けてもらっていましたが、私自身も対応が面倒になり、ちょうど良い時期が来たタイミングで、本当に辞めてもらいました。まさか本当に辞めさせられるとは思っていなかったのか、Bさんにとっては誤算だったかもしれません。
そして数ヶ月後、Aさんから「Bさんが戻ってきたいと言っている」という話がありました。人手不足だったこともあり、戻すことにしました。復職後のBさんは、辞める辞める発言をしなくなりました。
Cさんの話:承認欲求と妄想に振り回されるタイプ
もう一人、Cさんという女性もいました。入社から一ヶ月も経たないうちに、Cさんの「辞める辞める詐欺」が発動しました。最初は「他社の人が私をバカにするんです」という強烈な訴えです。「何か言われたの?」と聞くと、返ってきたのは「そんな気がする」という答えでした。Bさんで経験を積んでいたおかげで、対応のコツはつかめていましたが、あれこれと理由をつけて辞めますを繰り返すCさんを宥めるのは大変でした。
最初、AさんはCさんを「素晴らしい」と評価していました。しかし何か気に入らない点があったらしく、後にCさんはAさんの標的にされ、無視するような扱いを受けるようになり、最終的に辞めていきました。

気付き
BさんとCさんの二人には、「『辞める』ってそんな簡単に使う言葉じゃないからね」と伝えたことがあります。二人の「辞める辞める詐欺」に付き合いながら、ある時気付きました。この人たちの根っこは、結局のところ「かまってちゃん」なのだと。
振り返り
所長兼務は、当初は順調でした。だからこそ「様子見」のつもりが、いつの間にか本腰の関与になっていました。採算的に余裕がなかったこともありますが、ズルズルと流されていたのは反省点です。
女性だけの職場は難しいとされます。ですが、それも違う気がしています。うまくいっていた他の支所もありました。それは、そこにいた二人がたまたま優秀だっただけだったのかもしれませんが。
人手不足だったので、誰でも良いから手伝ってくれという気持ちが採用への焦りになり、後々面倒なことを引きずることになりました。
私がこの支所への関与に時間を割けば割くほど、会社全体の雰囲気も悪くなっていきました。
「運や巡り合わせ」というより、「見通しが甘かった」。経営者というものは会社全体をしっかりと引き締め、特定の部署に肩入れしてはいけない。それがこの話の大きな反省点です。

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